―関学東京支部同窓会サイト「KG−TOKYO.COM」立ち上げの目的とはどういうものでしょうか?
重名氏:これまでの同窓会活動は総会やサークル活動など、いわば人と人が集い直接的につながる"物理空間"の中で展開していました。しかし、これからは"情報空間"にも目を向けるべきだと考え、"情報空間"としての同窓会活動「KG−TOKYO.COM」が誕生したのです。これまでは時間的・距離的制約により、同窓会活動に参加できなかった人も、休日や仕事が終わってからといった自由な時間にサイトをチェックすることで、同窓会活動に参加できるというわけです。"物理的空間""情報空間"が平行して行われているので、どちらにも参加できる。毎年約4000人の卒業生が誕生するわけですが、これらの方々はインターネットに親しんだ世代でもあり、「KG−TOKYO.COM」のような情報空間が重要な役割を果たすようになると思います。
―重名さんは同窓会活動をされている上で、「関学らしさ」について、どうお考えですか?
重名氏:99年に行った卒業生へのアンケートでは、スクールモットーである「MASTERY FOR SERVICE」への意識は、年を追うごとに低くなっているという残念な結果になりました。これは関学という学校が創り上げてきた、教育の価値観が伝えられていないということでもあります。私が好きな言葉に「学校で学んだことを全て忘れ去った後に残ったものが、その学校で本当に学んだことである」というものがありますが、私たちの場合はどうでしょうか。関学に入学した以上は「この価値観を学んだ」といえるものを身につけて欲しいと思っています。同窓生はそれぞれの生活や考え方、スタンスは違っても心の根っこに同じ価値観(関学で学んだ理念)を持っているはずなのですから。ちなみに「MASTERY FOR SERVICE」とは「知識・技術の熟練をもって自主性を養い社会に奉仕する」という意味を持ちます。私の関学時代には、ボランティア精神は培われましたが、「一国の指導者たれ」という意識は持ちませんでした。しかし、技術や知識とボランティア精神を持ち合わせた、国の指導者たる人間を育てていくことが、これからの教育には大切だと感じています。
―「KG−TOKYO.COM」は、関学で培われた価値観を持った同窓生が集うサイトというわけですね。では、どのように活用してゆけばいいのでしょう。
重名氏:意見交換の場として活用してください。たとえば、サイト運営していく側が情報を集めて配信したものを、ただ受け取って終わり、ではつまらないですよね。サイトを見られた方が疑問を投げかけたり意見したりする場を設けて、アクションを起こしていただけたら、どんどん面白くなってゆくはずです。受け手と送り手のキャッチボールにより、サイトは再生産され育っていくと考えています。いわゆる双方向コミュニケーションができる場づくりですね。また、テーマを決めた意見交換の場を設けたりして、情報空間内でのサークル活動に発展しても面白い。時間や場所に制約されずに参加でき、さまざまな年代の人と交流ができる場として気軽にアクセスしていただきたいと願っています。
―最後に「KG−TOKYO.COM」をどのように展開してゆきたいか、お聞かせください。
重名氏:関学同窓会は地球のような1個の球体だと考えてください。支部を核として、同じ価値観を培った卒業生がそこに集まり、大きな球体になってゆくのです。しっかりとした核があるからこそ、自由に意見を交換できる場を提供してゆける。マグマの噴火も大歓迎です(笑)。「こんな企画がしたい」という提案でもサイトについての感想でも、どんどんご意見を聞かせてください。一緒にこのサイトを育ててくだされば幸いです。
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