A…KG編集部
B…ゲストOB、OG
A::山口さんは今ミュージシャンとしてご活動されていますが、そもそも音楽をはじめたのはいつ頃でしょうか?
B:はじめて人前で歌ったのは高校2年生の時。友人に誘われてフォークソング部に入ったんですが、
ふとしたきっかけで修学旅行で学年全員の前で歌うことになったんですよ。 それが初めての大舞台で、
むちゃくちゃ緊張したけど、むちゃくちゃ快感でした。それが忘れられへんかった。あとから、
音楽にまったく興味がないという友達に「むちゃよかった、ゆきの影響で音楽聴くためにコンポ買っちゃった」
って言われたんですよ。音楽の楽しさを自分が人に伝えられたと実感した瞬間でした。そこから“勘違い街道”まっしぐらです(笑)
A:では大学に入ってからはどんな活動をされていたのですか?
B:迷いなく軽音学部に入りました。4年生とバンドを組めたこともあり、
1年生ではなかなか出演できない学園祭のライブで歌ったりして。その頃は天狗になってたなぁ。
他にも、同時期に1年生メンバーで”SoulCarrot”というバンドを組んでいました。
熱くて勢いのあるメンバーでした。とにかく、歌うのが楽しくてずっと歌を歌っていたかったですね。
A:関学の軽音学部というと伝統ある文化総部の一つで体育会系の雰囲気があると聞いています。
ライブをするのにも、オーディションによる審査があるとか。
経験不足の新入部員はなかなか歌うチャンスを与えられないんですよね?
そんな中、山口さんには向かうところ敵なしの音楽人生のようですが。悩みがなさそうにもみえます。
B:そんなことないですよ〜〜〜。色々あるんやから...。
そういえば、1年生の時、
学園祭で一回大失敗したことがあります。コンサートで今までやったことがない音響担当をする羽目になり、
先輩には「女に勤まるか!」って言われながらも必死にやっりました。
こんなことを言われたからには、女でもできるって事を証明してやろうっていう思いでしたね。
コンサート1日目は無事に終了したんですが、2日目に、、、
いつも穏やかな先輩が泣いて怒るほどの大大失敗をしてしまったんですよ。とにかく前代未聞の大失敗。
“絶対次の日は成功させます!”って言って平謝りしてその日はどうにか許してもらった。
ところが、上手く事を治めたにもかかわらず、次の日寝坊してしまって!!
A:(えっ・・・寝坊ですか・・・。言い訳し難いですね〜。聞いてるだけでも怖いです。)
B:当然先輩は怒り心頭で半分呆れていましたが・・・、その後の信頼回復が大変でした。今だから笑って話せるけど、当時は必死でしたね。
A:笑っちゃいけませんが、山口さんらしい大胆不敵さがにじみ出ているエピソードのような気がします。
さて、卒業後多くの学生は就職しますけれども、山口さんはなぜ音楽の道を選んだのですか?
B:卒業後の進路として音楽しか考えてなかったからです。具体的ではなかったけれど東京には行こうと思っていて、東京でのライブ活動を始める事にしました。
その頃、あるレコード会社のディレクターとの出会いで、作曲家の卵とコンビで活動することになったんです。
始めは東京と大阪を往復しながらの活動でしたが、東京で活動を続けるうちに東京に行きたい想いが強まってきました。
とはいえ、その頃大阪では歌手として狭い範囲ではありますが知名度も上がりつつあったので、
その地位を捨てて東京に行くことに周りから反対はされました。でもやっぱり自分から発信するためには東京に行かねば!と思っていましたので、
え〜い!って感じで東京に来ちゃいました。
東京に来てから、しばらく作曲家さんとの活動を続けてたんですが、
段々と”今の自分の歌がほんまにかっこいいんかな...”って疑問を持ち始めたんです。そして、そんな矢先にある人から
「この曲ほんとにかっこいいと思ってるの?」と言われたんですね。ずばり自分が当時疑問に思っていたところを指摘されたので、
ショックを受けました。 結局自分の音楽に納得してないことがはっきりわかったんです。その後一人で歌い始めたんです。
それが2000年1月。その半年後、初めてのソロライブを決行しましたし、ストリートで歌を歌うことも始めました。“そやけど・・・なかなか売れない。
現実は甘くないな、上手くいかないな・・・”って落ち込んでいた頃もあり、もう大阪に戻ろうかと思い始めて友人に相談したんです。
すると、『一度関西に帰ったら、二度と東京には戻れへんで。戻る前に遣り残した事全部やってからにしたら?』って言われたんです。その時、
“私まだやり残してることがある”と思い直し、
大阪に戻るのを踏みとどまりました。東京で一からまた頑張ってみようって思いました。
その後転機がきたのは、あるオーディション受けたこと。準グランプリを受賞したんです。ようやく光が見えてきた感じがしました。
A:そうして今現在に至っているわけですね。前向きでめげない、粘り強い性格なんですね。
ミュージシャンとして成功するために心がけていること、がんばってることはありますか?
B:とにかくライブを一生懸命にやる!それが一番のアピールの場。聴きに来てくれている人にとっては、
その場が初めてかもしれない。その時しかないから、その一瞬にかける。
ただね・・最近になってようやく自分がやりたいことが見えてきたけど、見えてきたら今度はその次が見えてこない。私の場合、曲を作ることに今は壁を感じているから乗り越えたいなって思っています。悩みが具体的になってきたということは、
自分は成長しているのかなと思うのですが、その都度ぶつかる壁は大きくなってきてますね。 以前の自分が客観的に見えるようなったら、
きっとその頃よりは成長してるんやろけどね。でもやっぱり苦しくなることもしばしばあります。”何のためにやってるの?”って自分に問い直すこともあります。でもやっぱり「楽しいから」って原点に戻るんですよね。
A:曲作りが今の山口さんの壁とおっしゃいましたが、曲はどうやって生み出すんですか?
B:曲作りのインスピレーションは、音楽以外のところから生まれるし、音楽作ろう!って意気込むと絶対いいのは出来ない。音楽以外の好きなことはいっぱいありますよ。お酒飲むとか、絵を見るとか。絵は原物でサイズが大きい絵が好きです。心がワクワクしたりドキドキしたりします。
A:それでは山口さんにとっての夢は?
B:自分にしか歌えない歌を歌いたい、それをたくさんの人に聴いてもらいたい。
具体的じゃないけど、自分にしか歌えない歌って何だろうっていつも考えてます。
自分は何をするために生まれてきたのかとかね・・・
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