8月28日:三日月会8月度例会のご報告
【講演の概要】
三日月会8月度例会は、関学OBで歴史学者・作家の渡邊大門氏をお迎えし、『大河ドラマの軍師官兵衛と本当の官兵衛』です。募集をしたときはちょうど本能寺の変が放映された週で参加者は93名にもなりランバスホールは満員の盛況でした。ご参加の皆様には厚く御礼申し上げます。
このドラマには原作はなく『黒田家譜』が基になっています。これは1次資料といわれる当時の資料ではなく、80年後に貝原益軒が黒田藩主の注文で歴代の藩主の事績を記した二次資料です。儒教の影響を受けかなり脚色されていることもあり、すばらしい人物として描かれているのも当然ですね。
さて素顔の官兵衛はというと、戦国時代にはそもそも軍師という言葉はなく、竹中半兵衛も官兵衛も敵方との交渉役、取次としての単なる一武将にすぎなかったというのが事実のようです。孫子などの中国の兵法書を読んだことになっていますが、読んだとは考えられません。イエズス会のフロイスの『日本史』には官兵衛はキリスト教徒であったと書かれており、それが秀吉との確執との一因になりました。
黒田藩が存続したことについては官兵衛の活躍があったのは事実ですが、一次資料を用いて真の官兵衛像を追求するために継続的な取り組みが必要と結ばれました。
【以下案内文です】
三日月会8月度例会は、渡邊大門氏をお迎えし、『大河ドラマ「黒田官兵衛」と本当の官兵衛』と題してお話しを伺います。NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」の展開により、黒田官兵衛が兵庫県、岡山県、近畿の方にとって身近な人物の一人になりました。官兵衛に関しては、これまで十分な研究がなく、多くの俗説によって語られてきました。その出自についても各説があり、中でも官兵衛の生誕地は姫路説と西脇説があり、大きな論争となっています。また、官兵衛は家臣・領民思いで人を殺したことがなく、戦って負けたことがないとまでいわれ、また、本能寺の変で織田信長が亡くなると、羽柴(豊臣)秀吉の耳元で「ご運が開けましたな」と囁いたと言われています。それは事実なのでしょうか。8月度三日月会では、良質な資料に基づいて官兵衛の生涯を点検し、どこまでが事実でどこまでが虚構であるかを検証します。多数の皆様のご出席を賜わりますようご案内申し上げます。
記
日 時 : 2014年8月28日(木)12:15~13:30
場 所 : 関西学院東京丸の内キャンパス ランバスホール
千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10階
JR東京駅八重洲北口改札口より徒歩2分;東京メトロ大手町駅B7出口サピアタワー連絡口に直結:3階サピアタワーオフィスロビー受付前に「三日月会受付」を設置。
会 費 : 1,500円(軽食は11:45から講演前にお出しいたします。)
スピーカー: 渡邊大門(わたなべ だいもん)氏(歴史学者・作家)
1967年横浜市生まれ。(1975年から兵庫県三木市で過ごす)。1986年兵庫県立三木高校卒業。1990年関西学院大学文学部史学専攻卒業(加地宏江ゼミ)。2008年佛教大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。現在 歴史学者・作家。主要著書「黒田官兵―作られた軍師像」講談社現代新書・講談社(2013)。「黒田官兵衛・長政の野望―もう一つの関ヶ原」角川選書・角川学芸出版(2013)。「誰も書かなかった 黒田官兵衛」中経の文庫・中経出版(2013)他多数。
タイトル : 大河ドラマ「黒田官兵衛」と本当の官兵衛
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人数に制限がございますのでお早めにお申込み下さい。東京丸の内キャンパス・東京支部は、8月13日~21日まで盛夏休暇のため閉室いたしますので最終申込締切8月12日(火)です。
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なお、出席される方のみお返事を頂きますようお願いします。
東京支部 TEL 03-5224-6226 FAX 03-5224-6227
E-mail: kg.tokyo@nifty.com
以上