7月18日は7月例会で、三菱一号館美術館で開催の「冷たい炎の画家 ヴァロットン展」を鑑賞しました。11人が参加、油彩画と木版画を鑑賞しましたが、ユニークな作風に感銘を受けました。
以下は主催者の紹介文です。彼の人柄などがよくまとめられていると思います。
フェリックス・ヴァロットンは、スイス・ローザンヌに生まれ、16歳でフランスに移住し、19世紀末のパリで活躍した画家です。白と黒のみの鮮烈なコントラストで表現した革新的な木版画によって、ヨーロッパにおける創作版画としての木版画を復活させました。一方、ボナールやヴュイヤールなどナビ派※の仲間たちと交流し、「外国人のナビ」と呼ばれて数多くの油彩画を残した他、挿絵、批評、演劇まで幅広い芸術分野で活動し、20世紀以降の様々な芸術流派にも影響を及ぼしました。ヴァロットンの芸術は、単純な線描による正確なデッサンや、浮世絵や写真から影響を受けた大胆なフレーミングと平坦な画面構成、洗練された色彩表現などが特徴です。しかし、その研ぎ澄まされた観察眼を通して描かれた世界には、神秘的な虚構性や抑圧された暴力性が見え隠れし、その多面性と現代性が観る者を魅了します。 本展では、肖像画や風景画、毒のあるユーモアが漂う風刺画、男女の怪しい緊張関係を暗示する室内画、冷やかなエロスをまとう裸婦像、そして神話や戦争を主題にした作品など、個性豊かな作品群をテーマに沿って展観し、冷淡な表現の裏に炎のような情熱を秘めた芸術家像を浮かび上がらせます。 ※ナビ派とは:1 9 世紀末パリで活動した前衛芸術グループ。「見たままに描く」というゴーガンの芸術理論やジャポニスムに大きな影響を受け、輪郭線と平坦な色の面による大胆で装飾的な画面構成が特徴。
本展の見どころ ①日本初の回顧展 本展は、日本初のヴァロットンの回顧展です。オルセー美術館およびフェリックス・ヴァロットン財団の監修による国際レベルの展覧会として、グラン・パレ(仏・パリ)、ゴッホ美術館(蘭・アムステルダム)を巡回。そして2014年という日本・スイス国交樹立150周年の記念すべき年に、当館において開催します。
②解けない謎のように重層的な作品群 独特の視点と多様な表現を持つヴァロットンの作品は、100年以上たった今でも斬新で現代的です。胸騒ぎのする風景、不安な室内、クールなエロティシズム―。まるで解けない謎のように重層的な彼の作品は、観る者に様々な感情を抱かせます。本展では約60点の油彩と、約60点の版画の計約120点を展覧します。
③当館のグラフィックコレクションから選りすぐりの約60点を公開。 当館はヴァロットンの版画作品を1 8 7点所蔵しています。ヴァロットンの版画作品は世界中に点在し、まとめて所蔵している美術館やコレクターがほとんどありません。本展では、《アンティミテ》《楽器》《これが戦争だ》など、希少性の高い連作の揃いを含む重要な作品をお楽しみ頂けます。
下のスナップはフェスタ2014での「美術鑑賞会」の展示コーナーです。