川柳サロン令和4年5月例会 お題「雲」3句+雑詠1句
5月10日(火) 銀座オフィスで開催。
出席 津田暹先生と会員9名、 投句のみ2名
今月のお題「雲」
津田先生◎or〇 会員よりの得点数 +数字
◎+7 父は銃母と異国へちぎれ雲(和央)(今回の最高点)、、、ちぎれ雲の比喩が適切。
◎+4 空の青雲の白さが引き立てる(淑子)
○+4 暗雲にきのこ雲まで起こすのか(純逸)
〇+3 青春の日々呼び戻す雲の峰(敬三)
〇+3 雲海が疲れた身には羽根布団(勝弘)
〇+2 雲海を照らす日の出に手を合わす(勝弘)
〇+2 下弦の月雲を二つに切りに来る(睦夫)
○+2 今時は雲に乗りたい夢持たず(睦夫)
○+1 青雲(せいうん)も今は立ち消え線香に(たけお)、、、(せいうん)は要らない。「線香」で分かる。
○+0 弱腰の隙に黒雲ロシアより(和央)
今月の学習
1.笠雲もちょっぴりおしゃれ富士の峰(敬三)、、「ちょっぴりおしゃれ」は言葉を使いすぎでもったいない。「峰」は不要。→「笠雲が粋な姿にさせる富士」
2.雲をつかむ儲け話に夢つかむ(達夫)、、、「夢つかむ」では実現したことになる。→「儲け話夢はつかめず雲つかみ」
3.手を繋ぎ雲がおもちゃの散歩道(淑子)、、、人が見えるようにすると良い。→「孫と手を雲をおもちゃに散歩道」
4.雲海が作る名城竹田城(達夫)、、、その通りの句になっている。「作る」が硬い。→「雲海が名城にする竹田城」
7.使うぞと脅すプーチンキノコ雲(勝次)、、、キノコ雲を使うのではない。→「プーチンがちらつかせているキノコ雲」
8.青空に居るも寂しい浮浪雲(惠子)、、「浮浪雲」は漫画のイメージ。「居るも」より「居ても」→「青雲に居ても寂しいはぐれ雲」
9.白雲の似合う母校の時計台(敬三)、、、「白雲」ではイメージが乏しい。→「青雲の似合う母校の時計台」
10.四季めぐる雲のうつろい図を描き(勝次)、、、上の句と「図を描き」とのつながりが不明。→「四季めぐる雲百態を描きつつ」
11.待ってろよ雨雲裏は太陽だ(たけお)、、、裏ではなく上。「だ」止めは乱暴。→「雨雲の上でお日様待っている」
12.何処へやら予備費の使途は雲隠れ(治郎)、、、「何処へ」と「雲隠れ」は言葉がかぶっている。お題「雲」での「雲隠れ」、字結び可ではない。
13.お日様見えぬ非正規歩く曇り空(勝次)、、、「お日様見えぬ」と「曇り空」は言葉がかぶっている。→「非正規が歩くは曇り空ばかり」
14.武器まかせ独裁者の浮浪雲(治郎)、、、中6の句。→「武器まかせプーチンというはぐれ雲」
15.夕焼けのスペクタクルは神の国(淑子)、、、「スペクタクルは」とすると説明になる。→「夕焼けの絶景神の国のよう」
16.暗雲の北の将軍核頼み(和央)、、、「北の将軍」は饒舌。→「暗雲へ正恩が足すキノコ雲」
17.つかの間の常世を見せるあかね雲(達夫)、、、「常世」は硬くて仰々しい。→「つかの間の浄土を見せるあかね雲」
雑詠
津田先生◎or〇会員よりの得点数 +数字
◎+12 シルバーに何を騒ぐかゴールデン(勝弘)(今回の最高点)、、、金銀の対比が面白い。
○+6 便利かも上下表裏のないマスク(睦夫)
○+3 コンビニの安くて旨い赤ワイン(敬三)
今月の学習
1.冷たかろう知床海へ投げ出され(勝次)、、、「知床海」は苦しい。→「冷たかろう知床沖へ投げ出され」
2.人災の知床の海荒れ狂う(達夫)、、、その通りの句になっている。→「知床の海人災へ荒れ狂う」
3.眠れない句が閃かず朝ぼらけ(治郎)、、、上5で切れている。→「眠れずに句も閃かず朝ぼらけ」
4.ガラ空きの電車こんなでいいのかな(淑子)、、、コロナの影響が分かるようにする。→「ガラ空きののぞみこんなでいいのかな」
津田暹先生の例句
・本当は一つでいたいちぎれ雲
・旅客機も軍機も同じ飛行雲
・九条を乗せてはならぬ流れ雲
次回のお題 「傘」(締め切りは6月3日です)
6月14日(火)銀座オフィスで開催の予定です。 現在例会は毎月第2火曜日13時30分から16時です。
入会者募集中!
川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。
ご見学・ご入会等のお問い合わせは、同窓会東京支部( kg_tokyo_soumu@yahoo.co.jp )にお問い合わせください。
指導は著名な津田暹(すすむ)先生。 全日本川柳協会元理事、雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。
現在世話役 石田達夫(s45)
メンバー 男9名、女性2名