1月19日、1月第2回の定例会を行いました。出席者11名(米倉講師含む)、 欠席者5名。場所は銀座オフィス。希望者はzoomでも参加可能としましたが、全員が銀座オフィスでの参加でした。
■ラジオ体操第2
まずはウォーミングアップ。中脇さんが「ラジオ体操第2」の映像を用意してくれました。それを見ながら全員で体操。
「ラジオ体操」は、骨や関節、筋肉をまんべんなく動かすことができる全身運動。 全身を動かすのは気持ちがいいもの、朗読前のウォーミングアップにもいいのです。
■発声滑舌練習
『声に出して読みたい日本語』(著/斎藤孝)より 「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)(白浪五人男)」 河竹黙阿弥
弁天小僧菊之助の台詞にまた挑戦。本日は仕上げです。「知らざあ言って聞かせやしょう、浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、種は尽きねえ七里ヶ浜、その白浪の夜働き、……。」
感染状況を鑑み、本日は全員での朗誦はしませんでした。はじめから一人ひとり発表しました。
<講師の講評>
いい声が出ている、目つきがよかった、視線は下ではなく少し上方向に、読むと少し早めになるので、少し ゆっくりめに読むといい。
ひととおり全員が発表し終えたところで、ここでもまた中脇さんが歌舞伎の映像を用意してくれました。尾上菊五郎の弁天小僧。美しい立ち廻り、艶、張りのある声でのセリフ回し、何度でも見たくなります。
■米倉講師のアクセントの話
朗読倶楽部<クレセント>は、ほとんど全員が関西出身者。アクセントでは苦労しています。どのように共通語のアクセントを克服すればいいのか、長年の課題です。
講師のアドバイスは、単語のアクセントにのみこだわりがちだが、助詞も含めてのアクセントを覚えたほうがよい、アクセントに法則はないので覚えるより仕方ないのだが、覚えるにしても単語で覚えるのではなく、助詞を含めた語、文で覚えるのがよい、また、音を視覚的に残すのは難しいが、自分なりに工夫をすることが大事。
■共通テキスト②『きいろいゾウ』(著/西加奈子)
『きいろいゾウ』の話にところどころ挟まれる童話、作者の西加奈子自身の作(絵・文)で絵本も出ています。
・・・ムコさんがいなくて私は不安で仕方ないよ。空を見上げると、まんまるくて大きな月が、黄色であたたかな光で私をあたためてくれている。そのとき、ムコさんの声が聞こえた。「大丈夫ですよ。」 私の心臓は、力強くリズムを刻み出した。・・・
「セクション29」を一人ずつ朗読。最後は、5人で1チームを作り、2チームでセクション29を輪読しました。
<講師講評>
・地の文の読みもよいし、会話の読みもいいが、その対比が出るとなおよい。
・アレチさんは老人なので、年かさを感じさせる読みにしたい。
・「セイカを好いとる」「大丈夫ですよ」など、同じ文言が続けて出てくるときは、読み方に変化を持たせる。
■休憩
いただいたお菓子。クッキー、チョコ、らくがん。下にあるピンクの飴は、写真が小さくて見られないんですが、愛嬌あるお地蔵さんのお顔です。休憩の間のほっこりした時間に感謝です。
■個人テキスト
① 奥山寿子 『高瀬舟』(著/森鴎外)
高瀬舟は、京都の高瀬川を上下する小舟。京都の罪人を遠島に送るために、その高瀬舟に、弟を殺したという男が乗せられました。(次回に続く)
② 三好莞子 『鼓くらべ』(著/山本周五郎)
お留伊は町一番の絹問屋の娘で、その鼓の腕前は素晴らしい。あるとき、彼女は、鼓の音に誘われて庭に入ってきた一人の老人と知り合いになります。(次回に続く)
■共通テキスト①『陰翳礼讃』より「旅のいろいろ」(著/谷崎潤一郎)
大正12(1923)年、37歳の谷崎は、関東大震災の後、東京から関西へと居を移します。
その谷崎が、春の大和路の楽しみかたについて述べています。 「桃の花の咲く頃、急行ではなく三等列車にでも揺られながら、窓外の桃源風な景色をゆっくり眺めていると、無限にのどかに感じられ趣があっていいものだ。」
最後の部分では、「スピードアップが時代の流行りになっているので、知らず識らず、人々が時間に対する忍耐力を失い、じっと一つの物事に気を落ち着けて浸りきることができなくなっているのであろうか」とも述べています。
初めは一人ずつ順番に朗読。最後は2人で全体を朗読。2組が朗読して、この作品を仕上げをしました。
※ 本日で、共通テキスト『きいろいゾウ』、『陰翳礼讃』は終わります。次回からは新しいテキストに入ります。
■次回定例会
2月1日(火)10:30 ~ 13:30 (銀座オフィス)
(ブログ担当:萩尾千鶴子 文52)