去る10月7日(木)午後7時半頃から12名の方が参加して、恒例の交流会を開催しました。

今回は同窓会栃木県支部長の中島医師をお招きして新型コロナ感染症に関する講演をしていただき、併せて46会の高島氏にボランティアをされた東京2020オリンピックでの活動報告をしていただきました。以下その講演の概要です。

[中島医師の講演]

      講 師:中島逸男(1986年高等部卒、栃木県支部長、獨協医科大学准教授)

     テーマ:“関西学院からつづく医学の道・・・そしてコロナ -変移と必然-”

内容:

  1  栃木県支部の紹介(国内89番目の若い支部、フェスタ北関東2019)

  2  自己紹介(生い立ちから今に至る“必然”)

父も医師。ドイツ・ホンブルグ(ザール州)生まれ。「逸男」のいわれはドイツ(獨逸)。上甲東園で育ち、時計台広場が遊び場。再び渡独。高校受験で帰国し高等部へ。(獨逸学協会を起源とした)獨協医科大学へ進学(現在 同大学准教授)。現在は耳鼻咽喉科医師として日常診療にあたり、コロナ感染症の流行に対峙している。同大学は「THE大学インパクトランキング2021」のSDG’S(保健)分野で世界のトップ100に入り、国内大学で1位を獲得した。大学附属病院の病床数は全国6位、症例数は13位。

   3  本論・・・コロナの専門家ではない。データは公表され一般入手可能なものがベース。

◆ 本来のコロナウイルスは風邪の10-15%の季節性コロナ感染症。一方で2002年に中国広東省が起源のSARS(香港が最後で消滅)。2012年と2015年のサウジアラビア、韓国で発生したMERS。現在の2019年に始まった中国湖北省が起源とされる現在の新型コロナウィルス感染症につづく。

◆ 確率とクラスター対策及び対策デザイン

◇ 世界ではCOVI-19感染者数は減少傾向にあるが、現在でもロシア、ルーマニアで増加している。

◇ データで見る“必然”…人流対策(ロックダウンや緊急事態宣言)と感染者数や実効再生産数の相関。

◇ 日本人の感染率の低さ・・・三密・マスクは日本が最初(データに基づく対策)、ファクターXの存在?

◇ PCR検査&抗原、抗体検査の拡大は有効か? 事前陽性確率が低い集団では難しい。

◇ 日本の対策は総じて緩い。

第一波の感染拡大で東京都知事の小池が2020年4月7日に外出自粛を唱える。

学校閉鎖、移動制限などの対策措置の厳格さが想定された。最近では9月末で実行再生産数が0.61となる。

◇ 世界各国のワクチン接種率も上昇。日本も米国を上回り5番目。

◆ mRNAワクチン

◇ ワクチン開発の裏に日本人学者の基礎研究が寄与。iPS細胞(山中伸弥)、イベルメクチン(大村智)。

◇ iPS細胞からの創薬

◇ カタリン・カリコ博士によるmRNA修飾で免疫原性の抑制。デリック・ロッシ博士のmRNAによるiPS細胞の樹立がBionTech、Modernaワクチンにつながる。

◇ 欧米は研究開発と実用化が一体。近い将来には日本製ワクチン実用化が期待できる。

◆ これから(サイエンスとリスクは必然)

◇ 科学に対する政治の理解不足。

◇ 主体は国民全員。無関心や専門家への依頼心。後遺症の恐れを知ること。

◇ 緊急事態宣言への「なれ」。

◆ なにが大切か?

◇ コロナ感染症の感染動態に関する理解は飛躍的に前進

◇ ワクチン接種をしてもポーター(ウイルスの運び屋)になる可能性を理解

◇ 「いきる」

   「い」つものように、「き」ほんを守って、「る」ールを大切に過ごす

本講演は2021年7月4日に開催された第1回東日本支部長会主催の講演会の内容に一部直近のオープンデータを活用したものになります。

    参照;https://ourworldindata.org/coronavirus

 およそ1時間余りに渡った講演の後、参加者から感想と2〜3の疑問、SARSとMERSはどの様に収束したかや今の新型コロナ感染症の収束目処、発生源は中国か?などが出され、中島医師からの説明をいただけた。

ご講演いただき参加者から感謝と敬意を表しました。

 その後、中島医師の退出に続いて高島さんの体験談を語っていただき、参加された方々の雑談で楽しい刻が過ぎました。

 

[高島さんの体験談]

          1.近代オリンピック競技は1896年のアテネ開催から始まり、東京2020オリンピックは32回目。 日本は、1912年のストックホルム大会から参加。今回は205カ国、1万1千人余りが参加して開催され、日本は金メダル第3位の27個、総メダル数58個で世界の第5位と過去の最高の成績であった。

            2.大会関係者は38万人で、うちボランティアは7万6千人に上り、女性の方が多く従事した。

警備は警察と自衛隊が合わせて6万8千人強。

            3.アテンド担当のボランティアは全部で34チーム800人で205カ国のアテンド活動を行った。

私は34番目のチームに属し、7名でバルカン諸国のボスニア、クロアチア、キプロス、ギリシャ、アルバニア、マケドニア、モンテネグロ、コソボを担当、私はコソボ担当でしたがその他の国も担当をしました。ANAホテルを拠点に試合会場の送迎や案内に従事し、合間に国立競技場、埼玉アリーナのバスケットボール、有明アリーナのバレーボール、辰巳国際水泳場、幕張メッセの空手、江ノ島のセーリングなどの競技を観戦出来た。

制服一式が支給された。記念品としてメダル、時計、バッチなどアテンドした国の思い出の品をいただいた。江ノ島では、銀座オフィスの山田清氏に邂逅した。

 

          

              

    参加者と午後10時近くまで歓談し、次回の講演を期して散開いたしました。

                                                  文責 森本迪和