川柳サロン令和3年 1月例会 お題「夢」+雑詠1句
1月12日(火)zoomミーティング 津田暹先生も参加、出席6名、欠席投句3名
津田先生◎or〇 会員よりの得点数 +数字 コメントは津田先生のコメントです。
◎+4 夢ならば甘い言葉も囁ける (惠子)(今回最高点)、、分かる、私もそう。夢のような現実であれば現実でも可能になるかも。
◎+3 ワクチンがオリンピックの夢つなぐ (達夫)、、、まさに一縷の望みはワクチンのみ。「…オリンピックへ…」でも。
◎+2 ホールインワン正夢となる大出費 ( 勝次 )、、、おめでとうございます。どんでん返しで下五がピタッと決まった川柳らしい作りになっている 。
〇+4 よせ書きが卒業生の夢の跡 (勝弘)、、、 芭蕉の「夏草や兵どもの…」を上手く引用して情況を詠んでいる。但し上五は「寄せ書きや」に。
〇+2 夢破れ破れ破れて今がある (惠子)、、「破れ」の三つのリフレインが効果的。理想は実現し難い。それでも諦めずにきた思いが伝わる。
〇+2 現代っ子それが夢かよ公務員 ( 勝弘)、、、 就職先として公務員は人気、夢が無く安定しているからと、それを夢とする場合がある。まあね。
〇+2 もてた夢続き見たさに二度寝する (勝弘)、、、面白いが類想はある。続きは振られるので止めておいた方がよい。
〇+1 若き日の見た夢すべて夢と消え (たけお)、、、願望の夢と一夜の夢を組み合わせて詠んでいて面白い。「若き日に…」でも。
〇+1 阿部一二三死闘制して夢つかむ (達夫)、、、丸山との死闘を制し五輪代表に。二人とも出したかった。
「今月の学習」
1.見た夢の長い話に生返事 ( たけお) 、、、 夢は見るもの、長いでもよいが、誰が見た夢なのかに着目して「妻の見た夢の話に生返事」
2.近頃は眠れていない夢をみる (たけお)、、、不眠の夢とは面白い見付だが、何故近ごろなのか。「眠れない夢をよく見るコロナ以後」
3.卒業文集夢一杯に燃えた日々 ( 勝次)、、、分かるが上八が重い感じ。これも字余りだが「卒業文集に若き日の燃える夢」
4.夢のため不要不急を問い直す (淑子)、、、ユニークな表現はよい。夢は不要不急だが実現したいものも。「夢実現へ不要不急を問い直す」 本人の弁:ロンドンにいる娘さんに会いに行きたい。コロナ禍の世の中で、その夢を実現させるため、不要不急の外出はしないで、身を守っているということ。
5.夢あれどコロナ加齢が邪魔をする ( 淑子 )、、、果たしたい夢で分かるが中七が窮屈。「高齢とコロナが夢の邪魔をする」「…で夢が果たせない」
6.青春の夢目を覚ますクラス会 (敬三)、、、どんな夢か。恋では小さすぎる。大きい夢だと今更目を覚ましてもの感あり。 本人の弁:同じクラスには同じ将来の夢を持った仲間がいた。会うとそれを思いだす。
7.夢あきらめずトランプの灯はまだ消えず (純逸)、、、「夢」というより野望の感じ。「灯」は「・ランプ」に掛けたか?本人の弁:その通り、「夢あきらめずと、ランプの火まだ消えず」
8.はやぶさが地球の夢を持ち帰る (達夫)、、、 持ち帰るのが「地球の夢」にやや違和感あり。記者会見では「はやぶさ2夢見た砂を持ち帰る」
9. 今年こそ夢叶えよと日が昇る (敬三)、、「夢を叶えなさいよ」と励ましているように日が昇るのか。自分の意志なら「今年こそ夢叶えよと日を拝む」
10.サグサグへ龍頭八重滝はやぶさ2 (睦夫)、、、ザクザクか。はやぶさ2の砂は大判小判に匹敵し夢のよう。龍頭八重滝も夢のように見事なのかも。 編集注:本人の原稿を見ると「小石ザクザク、リュウグウの玉手箱、はやぶさ2」と読める。
11・紅白のステージに咲く若い夢 (敬三)、、、綺麗にまとまってはいるがそうですね感も。初出場が多かったので「紅白の初出場へ夢開く」
12.お神酒効き初夢を見たことがない (惠子)、、、 元旦夜のお神酒が過ぎて酔い潰れたか。面白いが表現を替えて「お神酒効きすぎて初夢見損ない」
13.自由に旅し皆で飲み食いいまや夢 ( 純逸 )、、、私も丁度一年旅も会食もしていないので分かるがそうですねの感じ。「…いまは夢」でありたい。
14.夢の一首百人かるた待かりる (睦夫)、、、百人一首の夢では「春の夜の 夢ばかりなる手枕に かひなくたたむ 名こそ惜しけれ」「住之江の 岸による波 よるさえや 夢の通い路 一目よくらむ」が有名。後者の待たされる一首を詠んだのかも。
15.夢さえも持てないときこそ夢をもつ (淑子)、、、深刻なコロナ禍で夢どころではない時こそ望みを捨てるなという意気よし。中八「…もてぬ…」に。
16.1無事で2ワクチン打ち3休み (純逸)、、、初夢「一富士二鷹三茄子」をもじったが二が合わない。
17.億万キロ竜宮砂の夢運び (勝次)、、、竜宮はカタカナ表記(リュウグウ)。主語は何か、中七が窮屈。2番の添削句を参照に。
18.四千年夢照東城習手紙 (睦夫)、、、「夢解釈四千年」という本がある。また習字の練習に「照東城…」があるが関連性が掴み難い。
「雑詠」
津田先生◎or〇
◎+3 おうかがい体温計にたてる日々 (淑子))(今回最高点)、、、 マンションのカラオケルームも二人限定で体温も測定、その他各所でも。
◎+1 五つの小帰ろ帰ろで泣く飲み屋 (純逸)、、、会食は少人数・小一時間・小声・小皿・小まめ。童謡「七つの子」を上手くもじってさもありなん。
〇+2 1波なんて可愛かったと3波言い ( 達夫)、、、今にして思えば一桁違い。慣れが恐ろしい。
〇+2 残りの世ウイズコロナじゃつらすぎる (勝弘)、、、とても付き合い切れない。句会も開けない。「ウィズ」(2文字)なら「…コロナでは…」に。
〇+0 国を賭け合意ありでもジョン損か (たけお)、、、EU離脱の移行期間が過ぎる中まとまりが悪い。駄洒落も効いていて許せる範囲。
〇+0 初詣で絵馬に見つけた母校の名 (敬三)、、、合格祈願、誇らしいくも嬉しい感じが伝わる。
〇+0 秘書がしたと予想どおりの安倍答え (勝次)、、、以前から秘書の所為にするのは定番、安倍ちゃんんも然り。
〇+0 来し方も行く末も皆主に委ね (惠子)、、、敬虔な信者としての生き様が伝わってくる。
〇+0 知事退り習志野火球チバニアン (睦夫)、、、千葉県の「今年(2020年)のニュースから」。退り(すさり)は意思表示だが。
次回 お題「ブレーキ」
令和3年2月9日(火)銀座オフィス又はZOOMミーティング
例会は毎月第2火曜日14時から16時です。
入会者募集中!
川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。
ご見学・ご入会等のお問い合わせは、同窓会東京支部( kg_tokyo_soumu@yahoo.co.jp )にお問い合わせください。
指導は著名な津田暹(すすむ)先生。全日本川柳協会元理事、雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。
現在世話役 石田達夫(s45)
メンバー 男7名、女性2名