川柳サロン 8月例会 お題「熱い」+雑詠1句
8月11日(火)東京オフィス 出席5名、欠席投句3名
津田先生◎or〇 会員よりの得点数 +数字 コメントは津田先生のオンラインでのコメントです。
◎+5 今もなお熱き想いを君知らず(たけお)(今回の最高点)クラス会などで実際にそういう想いの人が居て共感する。
◎+4 香港の熱に中国胆冷やす(達夫)民主化のデモに対し国安法を成立させた。熱と冷やすの反語が効果的。
〇+4 暑い日に厚いマスクで熱射病(純逸)アツいを三つ掛けた努力を買って良しとするが、熱中症が一般名で中でも重いのが熱射病。
〇+4 青春の恋あぶり出す熱い砂(敬三)あぶり出すが効果的で結構だが,下五の砂が主役みたい。→「青春の恋を熱砂があぶり出す」
〇+3 熱愛に文春砲が水をさす(勝弘)よくもまあ次から次へと。強力な水鉄砲ではある。
〇+3 旅行だとはしゃぐその朝子供熱(たけお)実際に聞く話で興奮し過ぎに起因。結構だが下5が窮屈。→「旅行だとはしゃぐその朝子が熱を」
〇+1 隣国との試合となれば熱くなる(敬三)分かる。相手の方もすごいので。→「隣国との試合互いに熱くなる」
〇+1 熱視線浴びた浜辺も今は消え(惠子)青春回顧で結構だが上5が窮屈。上6にしてでも。→「熱い視線浴びた浜辺も今は消え」
〇+1 太陽の恵みソーラークッキング(淑子)蓄熱式、放射熱式、乾燥式、発電式などいろいろ。その通りの表現だが発想を買う。
〇+0 コロナかな体温計に聞いてみる(淑子)昨今一寸した微熱でも気になる。体温計の擬人化が佳い。
「今月の学習」
1. コロナ禍で東京五輪熱がさめ(敬三)まとまっているがその通り。擬人化して。→「コロナ奴に五輪の熱を冷まされる」
2. 枯れたほど老いらくの恋燃え上がる(勝弘) 枯れたから燃えやすいのは分かるが理が強い感じ。→「枯れて今老いらくの恋燃え盛る」
3. 吹きこぼれ慌てた指は耳たぶへ(惠子)擬人化の状況は分かるがやや報告的。→「耳たぶへ指飛んでいく吹きこぼれ」などでも。
4. アッチッチ足の上には目玉焼き(淑子)出来た目玉焼きを取り損ねて落としたのだろうが、「上」でなく→「アッチッチ足の甲には目玉焼き」
5. 五輪の火あまねく冷ますコロナ熱(勝弘)意図は分かるが火を熱が冷ます意味になる。→「五輪熱あまねく冷ます新コロナ」
6. 熱い夏今年6日の甲子園(達夫)今年は6日間の交流試合に。熱戦を期待して。→「6日間今年の夏の甲子園」
7. 熱き思いを一言添える余白欄(勝次)余白なので「一言」「添える」「欄」がくどい感じ。→「熱き想い余白にそっと滲ませる」
8. 温湯好きの夫偲んで浸る盆(惠子)暑い夏なのにという思いか。上5が苦しい。→「熱めの風呂好きな夫を偲ぶ盆」
9. 熱燗を注いで注がれつ今は夢(純逸) 相手は誰か。中7が饒舌で勿体ない。→「今は夢君と熱燗交わした日」
10. 耐熱のサウナキャリアで真夏超え(たけお)耐熱が物のよう。サウナだけで通じる。→「サウナでのキャリア猛暑に動じない」などでは。
11・ 熱唱の青い山脈知る戦後(勝次)下5は戦後に知ったという報告か。→「熱唱の青い山脈眼裏に」
12. 異常気象日本とっくに亜熱帯(達夫)異常気象は省ける。確かにそうだが更に→「亜熱帯超え熱帯化する日本」
13. 大家族も密にならない熱帯夜(純逸) 夏と冬で寝る場所を変えられるほど広い家ならよいのだが。
14. 球児の夢コロナが消した燃えぬ夏(勝次)「熱」を感じない。過去形を避けて。→「球児の熱コロナが冷まし燃えぬ夏」
「雑詠」
津田先生◎or〇
◎+3 リニアカー着工前にトンネルへ(純逸)(今回の最高点)暗礁に乗り上げてのお先真っ暗感がトンネルで上手く詠めている。
〇+2 若者がコロナを運ぶ人に見え(淑子) 2,30代が70%と聞くと確かにそう見えてくる。
〇+0 習は愁コロナファーウェイ水攻めも(たけお)中国の内患外患で習愁を掛けて面白いが、一つ足して→「習は愁コロナ香港スマホ雨」
〇+0 ワクチンまだか安倍森小池待っている(勝次)東京五輪と詠まずにその現状を上手く詠んでいる。「森」が効いている。
添削
1.しとしとが昔話の梅雨の雨(達夫)線状降水帯などまさにそうだが、雨の重なりを避けて。→「しとしとが昔話になった梅雨」
2.コロナ禍に目と目を絡め酌み交わす(惠子)目と目で酌み交わすという表現はよいが「絡め」は省ける。→「三密を避けて目と目で酌み交わす」
3.絶景の水辺の住居流される(勝弘)最近の集中豪雨による災害を淡々と詠んで結構だがやや報告的。→「絶景が濁流となり家を呑み」
4.口が過ぎ謝りに行く二日酔い(敬三)纏まってはいるがよく詠まれる句材。
次回 お題「がらがら」
令和2年9月8日(火)銀座オフィス 例会は毎月第2火曜日14時45分から16時45分です。
入会者募集中!
川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。
ご見学・ご入会等のお問い合わせは、同窓会東京支部( kg_tokyo_soumu@yahoo.co.jp )にお問い合わせください。
指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。
現在世話役 石田達夫(s45)
メンバー 男6名、女性2名。