E-News & songs 7月例会at KG Ginza Office, July 9,2020
An uphill battle to reverse the falling birthrate
「出生率低下を覆すための苦しい戦い」
日本の出生率の低下は、国の重要課題の1つかもしれません。 昨年の7月には1993年~2004年の就職氷河期について勉強しましたが、その後1年を経て出生数は2年早く90万人を下回り86.5万人となり、過去最低となりました。出生率は1.36と2018年の1.42を下回り、いずれにしても人口維持に必要な2.07を大きく下回っています。
出生率及び新生児数の長期的低下は、生活様式や社会的価値観の変化を含む様々な要因によるものと考えられます。 晩婚化が進み、或いは結婚しないのも一つの選択肢になりつつある中、この傾向の背後にある大きな要因として、若い人々が家族を持つことを思いとどまるのは、経済的な不安感の高まりにあります。
戦後のベビーブーム世代に対する1970年代に生まれた「第二次ベビーブーム世代」の子供たちは第三次ベビーブーム世代を産むことができなかったといわれていますが、その要因として、企業が新規採用を削減し、非正規採用へ移行した時代と重なります。
また、1990年代初頭における経済バブルブームの崩壊による極めて厳しい雇用環境に直面し、多くの学生が不本意ながら非正規採用となり(就職氷河期世代)、不安定な雇用条件と賃金格差により、未婚にとどまる可能性がより高まりました。
このような状況の中でコロナ感染が広がり、少子化の問題にどのように取り組むのか、
メンバー全員で議論しました。
1)先ずは日本の経済を再生させ、その中で企業の業績を伸ばし,省力化と自動化の投資を行い、OECDの中でも低い日本の労働生産性の向上を図らなければ、労働条件の改善は望めない。
なお、IMFは2020年の世界の経済成長率はマイナス4.8%、1300兆円が失われると試算し、日本政府は255兆円の過去最大の補正予算を編成した。
2)政府は就職氷河期世代への支援として2019年プランを策定し、ハローワーク内に専用窓口を設置し、対象者への職業訓練、資格取得学習や公務員としての採用、また対象者を採用する企業には助成金を支給、支援する企業には委託事業を提供し、3年以内に30万人の正規雇用を増やす計画である。 このような雇用懸念は10年前からOECDが二度にわたり政府に改善を助言してきたが、対応が遅く、残念な結果となっている。
3)同一労働同一賃金は、正規労働と非正規労働の待遇格差の解消のため、その実現が求められてきた。 これには各従業員の職務内容の可視化が必要になり、雇用契約の内容が一層明確化し、新しい時代に沿うものとなる。
この法律は、大企業は本年4月1日から、中所企業は来年から施行される。
雇用者がこの法律の考えに基づき、新しい雇用慣行を育てていくことが必要です。
4)今回のコロナ感染の拡大は、日本の社会の在り方を変える大きな機会となりうると
The Japan Timesも社説の最後に述べている。When schools were closed due to the pandemic, the fact that the burden of childcare at home falls disproportionately on mother was once again highlighted. At the same time, the stay-home request under the COVID-19 state of emergency, which resulted in many employees working remotely, shed light more flexible and diverse ways of work that allow father to spend more time with family. These should be further explored to help encourage young couples to have children.
メンバーの女性からは貴重な話を聞くことができました。
少子高齢化に向かう中で、母親の社会参加がホスピタルサービスやチャイルドケアーの充実に今求められている。 日本の男性は働きすぎで、家庭を顧みることが少なかった。 夫が育児と家事に協力すれば、母親も第二子を持つことに不安なく決断できるでしょう。 テレワークは夫婦簡に時間的余裕をもたらし、子供を作る経済的、環境的余裕をもたらすことができるかもしれない。
一方、就職氷河期世代の彼女は同世代の置かれた状況を見て、結婚、育児、社会参加は一層高いハードルになると明言する。 従って、COVIT-19は少子化の現状を更に厳しくし、若いカップルに子供を産む余裕など当分の間ないだろうと、その難しさを話してくれました。
国立人口・社会保障研究所は人口の長期予測を行い、2060年には2020年の30%減の8674万人になると発表しました。 これを受け、メンバーの一人は少子化の優位性を生かした楽しく平和な生活がいかに享受できるかを提言しました。
人口密度は総領土面積から見ると現在は328人/km2、2060年は229人/km2と生活環境は広がります。 また、AI、ロボットによる省力化、自動化など技術革新の波は広く展開し、無くなる定型化された仕事や新しく生まれる仕事などで働き方、生活様式や価値観も大きく変化することが予想されます。 今後、こうした新しい変化に人口問題も、弾力的に対応して行くことが求められます。 14歳までの人口も現状より増やしたい、人生100年にも取り組みたい、労働人口を15歳~65歳まで延長し、調整は外国人労働者のサポートを受けるなど、 ワーク・ライフバランスの取れた、人生を楽しめる日本社会を次世代のために考えていきたいと思っています。
7月リーダー藤本 靖