12月活動報告 永井 裕子
Convenience Stores and 24/7
今月はこのタイトルのジャパンタイムズ社説を取り上げました。
コンビニの24時から7時までの深夜の時間帯について再考する動きについての記事です。
1975年に始まって以来コンビニは増え続け、今のビジネスモデルである24時間営業が当たり前になっています。ところが、昨今の人手不足と本部からの引き締めにより、一様に この形態を持続するのが難しくなってきました。
今年2月に大阪のコンビニ店のオーナーが店舗営業時間の短縮を申し出たことを発端に業界大手3社では試験的に営業時間の短縮を始めました。
セブンイレブンは、時間短縮はそれぞれの加盟店の決定に任せると言っていますが、 24時間営業の店舗にはロイヤリティを優遇するなどして時間短縮する店舗は歓迎していません。
ファミリーマートでは600店、ローソンでは100店舗が営業時間の短縮を始めました。
24時間営業のビジネスモデルは市場飽和や従業員不足の問題とともに業界にとって改革すべき時期に来ています。
時間短縮の試行で売り上げ維持と長時間営業は必ずしも同期しないことが示されました。
加盟店が営業時間短縮を実行するためには本社は製造と配送のシステムを見直す必要があり、現行のやり方では対応できないことが明らかになってきました。
大手3社の同じ地域に多数の店舗を開く戦略は一店当たりの利益を損なうことになり、多くの店舗が利益を確保するために時間短縮をためらっています。
本部はそれぞれの店舗のかかえる問題を解決する柔軟な対応を求められています。
記事の内容を読んだ後、更にいくつかの現状を取り上げて議論しました。
1 コンビニの労働力不足を如何に克服するか。
外国人労働者を雇う。
昼間の時間帯に高齢者を雇う。
2 コンビニオーナーの高齢化をどう思うか。
コンビニは家族経営が多くオーナーが夜間勤務し、妻が昼間の時間帯に勤務するという働き方がよく見られる。オーナーが高齢化するとこれを維持することはとても
難しい。
3 食品ロスを改善する方法は?
コンビニで売れ残った食品を廃棄することによる食品ロスは深刻な問題になっている。
特に季節のイベントの際の特別な注文(恵方巻、土用の丑の日の鰻弁当、クリスマスケーキ)は大量のフードロスを生み出す。
ファミリーマートでは予約販売の試験を行ったところ、売り上げは減ったが利益は前年とさほど変わらなかったことがわかった。
今後は各社ともその方向に切り換えるべきである。
4 未来型コンビニとは
無人レジ、キャッシュレス、AIの導入など高齢化、人手不足に対応していく。
すべての店舗が24時間営業でなくてもよい。
5 社会全体に役立つコンビニの進化について
6 災害時のコンビニの役目と社会貢献について
宅配便の荷物の受け取り、チケットの受け取り、ATM、コンビニ決済など様々な機能をもち、災害時には近隣の被災者への水や食料の迅速な供給をすることも可能。
7 コンビニとドラッグストアの合体をどう思いますか。
近頃はドラッグストアも機能を充実させつつある。
現時点ではきめ細やかさで優っているコンビニだが今後はドラッグストアの動きが
気になるところである。
以上 活発な意見交換となりました。