川柳サロン7月例会 お題「我慢」+雑詠1句
7月9日(火) 銀座オフィス 出席7名 欠席1名 投句8名
津田先生◎or〇 会員よりの得点数 +数字
◎+10 喧嘩後は我慢比べの無言劇(敬三)(今回の最高点)まさに実感句。ダントツトップ!
〇+3 夫婦間片目つぶって無事過ごす( 達夫) →「無事過ごす」にやや難あり。→夫婦間片目つぶって50年。
〇+3 秒針の回りが遅いサウナ風呂(敬三) 「 風呂」は要らない。→秒針の回りが遅すぎるサウナ
〇+2 ニッコリの裏に我慢の顔がある(淑子) 素直な句で、うまくまとまっている。
〇+2 五右衛門風呂そっと浸かってそっと出る(純逸)五右衛門風呂の熱さが良く表現されている。
〇+1 雲よ去れ令和の日の出待つ二人(睦夫)この二人は誰か?津田先生のスゴイ解釈:雲が去れば出て来るのは、昼は太陽・夜は月、月と太陽と言えば眞子様と小室圭さん。令和の時代になって雲が去り、日の出となるか? 本人の弁:自分たち夫婦で、令和になった5月1日の早朝に初日の出を拝みに行ったが、雲がかかっており、寒さを我慢して日の出を待った時のことを詠んだ。
〇+0 虎フアン我慢強さは日本一(敬三) 「フアン」3語 、「ファン」2語 どちらもOK
「今月の学習」
1. また事故か座ったままで発車待つ(睦夫) 事故の情報が有った方が良い→人身事故座ったままで発車待つ
2. 大国のチキンレースに行司なし(勝弘) チキンレースにはもともと行司はいない。
3. お互いに我慢してると嫁姑(勝次) まとまっているが「そうだな」の句。嫁姑の句は多くあるのでよほどでないと難しい。
4. 関取へ我慢我慢の汗と土(勝次) 良く分かる句だがストレートすぎる。
5. 行列に耐えて人気のラーメン屋(勝弘) 「耐えて」ではなく「耐える」とした方が面白い。→行列に耐える人気のラーメン屋
6. 親介護グチも我慢のたどる道(勝次) 「グチも」とすると「グチ」を言うのを我慢しているのか、それとも「グチ」を言いながら我慢しているのか2通りに取れる。 本人の弁:将来自分も介護される立場になるかもしれないことを思い、グチは我慢して介護していることを詠んだ。
7. 我慢する上司と部下に仕える身(恵子) 部下には仕えない。→我慢して上司と部下に気を使い
8. 我慢して達磨になるか弾けるか(恵子) 背景が分からない。「達磨」だけで「我慢」が分かる。→一生を達磨になるか弾けるか
9. 津波後も耐えて励ます一本松(純逸) 下6の句。「耐える」と「我慢は」少しニュアンスが違う。「耐える」は期間が長い。本人の弁:下6は分かっていたが流れを重視した。先生:一本松を見ている人が我慢している→8年目一本松に励まされ
10. 禁煙は5回目ですと照れて言う(達夫) 「我慢」が感じられない。→禁煙も我慢が出来ず6回目
11. 我慢して愛でてたスマホ突然死(睦夫) 「我慢」と「突然死」の組み合わせが合っていない。我慢して使っていたのならもともと調子が悪かったのでは?
12. 非正規が耐えて貯まらぬ二千万(勝弘) 非正規でなくとも貯まらない。本人の弁:好き好んで非正規になっていない。非正規にも、貯金することにも耐えている。
13. 妻にいう母の口くせがまんせよ(淑子) 「口ぐせ」では情報が無いので「なるほど」とはならない。
14.生ビール思いサウナで耐え忍ぶ(恵子) →生ビール思い浮かべているサウナ、生ビール思いサウナでじっと耐え
15.落選も1票差だと痩せ我慢(達夫) 「痩せ我慢」の使い方が合っていない。1票差なら、数え直させる方向にする。
16.ニンニクで臭い満ちても耐えきれる(純逸) 誰も状況が分からなかった。本人の弁:「ニンニク」と漢字の「忍辱」(諸々の侮辱・迫害を忍受して恨まないこと)を掛けた句。
17.目の弱り読書のがまん恨めしい(淑子)何が恨めしいのか? 本人の弁:目が弱くなり、大好きな読書が思うように出来なくなったことが恨めしい。→我慢して読書を減らす目の弱り
「津田先生の例句」
1.ガン治すためなら許す放射能
2.鍋敷きの我慢強さにかなわない
3.青汁のまずさも妻の愛の内
「雑詠」
津田先生◎or〇
◎+4 シルバーがゴールドのまま終わらせる(勝弘)(今回の最高点)「シルバー」と「ゴールド」の使い方が上手い。ゴールドで、今まで無事故の人なら、今後も事故は起こさないだろう人が返納する。
〇+2 寝てばかりいては果報が届かない(敬三)「果報は寝て待て」を上手くパロディしている。
〇+0 三回忌梅雨空に見る友の顔(恵子) 曇り空を見上げての情景が見える。
添削
1 小包装環境意識どこへやら(淑子) 小包装とは、お菓子などが箱の中で、1つ1つ包装しているもののこと。個々包装。
2 日傘男子顔を隠して歩いてる(達夫) 「 日傘男子」なら恥ずかしがらない。
3 寝込む妻の主婦業重さ教えられ(勝次) →妻臥して分かった主婦業の重さ
4.二千万なく年金頼り我が余生(純逸)その通りの句。「我が余生」に難あり。
次回 お題「帰る」
8月13日(火)14時45分から16時45分。場所は 貸会議室プラザ八重洲北口3F
入会者募集中! 毎月第2火曜日14時45分から16時45分
川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。希望者は世話役の石田までお問い合わせください。
指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。
現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)(090-3357-4101)
メンバー 男6名、女性2名。