川柳サロン6月例会  お題「刻む」+雑詠1句

6月14日(金) 銀座オフィス  出席8名

津田先生◎or〇  会員よりの得点数 +数字

◎+5 心臓の電池にいのち預けてる(睦夫)「預けてる」は「い」抜き言葉(預けている)下5に入ると気になるので、中に持ってくる→心臓の電池に預けてる命

〇+9 仲直り妻の包丁リズミカル 勝弘) (今回の最高点) ほのぼのとした気持ちの良い句。情景が浮かぶ句。

〇+3 一刻を競い売り出す「令和」物(純逸)  見付が良い。「」を要らなくするには→一刻を競い売り出す令和初

〇+2 お言葉を心に刻み令和開く(純逸)     上皇のお言葉か天皇のお言葉か?本人の弁:天皇のお言葉

〇+1 元彼の思い出を消すシュレッダー(睦夫)

〇+0 円空の荒々しさが胸を打つ(達夫)

〇+0 独り身で刻む玉ねぎ涙出る(睦夫)    「ことさら」感が良く出ている。

「今月の学習」

1.面影を胸に刻んで弔辞読む(達夫)   →刻まれた面影胸に弔辞読む

2.廃校の机に傷の傘マーク(勝弘)   「傷」は要らない。→廃校の机に君との傘マーク(先生凄い!)

3.渋滞にメーター進み荒い息(勝弘)   「荒い息」は大げさ。→渋滞にメーター上がり息荒ぎ

4.刻まれた竹思い出と共に枯れ(純逸)  「竹」ではなく「幹」の方が分かりやすい。竹は中々枯れない。本人の弁:京都の竹林で、外国人が名前を刻む行為が問題になっていることを詠んだ。竹は傷つけると枯れてしまう。

5.刻まれたたのしい記憶と共に生き(淑子)   中8の句。「刻まれた」と「思い出」は意味が重なる。本人の弁:楽しい記憶だけではない中で、楽しい記憶だけを思い出して生きている病気の友人のことを詠んだとのこと。→思い出の記憶を胸に秘めて生き

6.より哀し雨音刻む友の通夜(勝次)  「より哀し」で切れてしまっている。 →雨音が哀しみ刻む友の通夜

7.トントンと包丁の音朝知らせ(達夫)  表現が古い。本人の弁:先日民宿に泊まった折のことを詠んだ句。→民宿の朝包丁の音で起き

8.刻む手が真実証す法医学(恵子)    「刻む」ではイメージが合わない。「切り開く」のイメージ。

9.新宿駅行き先刻む音絶えぬ(勝次)     「行き先刻む音」とは何のこと?本人の弁:発車ベルがひっきりなしに鳴っているところを詠んだ。

10.キャベツ切る手つきはさすがチョンゲスト(淑子)    皆「チョンゲスト」が分からない。本人の弁:「チョンガー」が独身男性のところから、長年独身を通してる男性を「チョンゲスト」という。チョング・チョンガー・チョンゲスト

11.秘蔵酒に刻み目付けてちびりちび(敬三)   →刻み目を付けて秘蔵酒ちびちびと

12.サグラダファミリア永遠に時刻む(恵子)   「刻む」のイメージが薄い。「永遠に刻む」はイメージ。7・5・5ではないが、8・5・5でもリズミカルなら良い。

13.手刀を切って小遣い貰う癖(敬三)    「手刀」は刻むとは言わない。「切る」

14.円空はのみの刻みに思い込め(淑子)   「円空は」とすると説明っぽくなる。下に持ってくると良い。→ 荒彫りの鑿に円空思い込め 

15.思い出に切り刻まれた過去が有る(恵子)  「思い出」と「過去」は意味が重なる。→人に言えぬ切り刻まれた過去が有る 

16.つきぬ思い弔辞に刻む師の言葉 (勝次)  きれいな句。「つきぬ思い」で切れてしまっている。→ 弔辞に刻むつきぬ思いの師の言葉   

「津田先生の例句」
1.自立出来るようにと言われ葱刻む

2.詰まらないゴルフ刻んでばかりいる

「雑詠」

津田先生◎or〇

◎+2 アンチよりナイスがいいとエイジング(淑子)(今回の最高点)「アンチ」と「ナイス」の対比が良い。

〇+3 嘘などはつけない顔で手品する(敬三) (今回の最高点)「手品する」の動詞止めより名詞止めにする→嘘などはつけない顔でする手品

〇+1 何事も加齢で済ます掛かり付け(勝弘)  →同意句は多くあるが表現が良い

添削

  1 升席を椅子席に変え国技見る(達夫)   「国技見る」にすると説明ぽくなる。名詞を下に持ってくると皮肉ぽさも出る。→升席を椅子席に変え見る国技

  2 族長も独りの時は赤止まる(睦夫)    「族長」の意味が皆分からない。本人の弁:暴走族のリーダーのこと。

  3 いい一日と返るおはよう笑顔です(勝次)    語順が良くないので分かりずらい。→おはようと笑顔が返るいい日です

 次回  お題「我慢」

7月9日(火)14時50分から17時。場所は銀座オフィス「銀座ホール」

入会者募集中!  毎月第2火曜日14時50分から17時

川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。希望者は世話役の石田までお問い合わせください。

指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。

現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)(090-3357-4101)

メンバー 男6名、女性2名。