川柳サロン5月例会  お題「乾く」+雑詠1句

5月10日(金) ランバスホール  出席5名 欠席3名 投句7名

津田先生◎or〇  会員よりの得点数 +数字

◎+7 米離れ乾く田んぼが泣いている(勝次  (今回の最高点)擬人法が効いている。「乾く」と「泣く(水気)」の対比も良い。     津田先生→干上がった田んぼ泣いてる米離れ

◎+5 干からびた脳が息づくクラス会(敬三)   「脳が息づく」の表現が面白い。若い時代の話をすることで、その頃の若さが戻ってくる感じが良く出ている。

◎+3 枯山水石と砂とで見る宇宙(達夫)    「宇宙」という表現が良い。

〇+3 乾いたら温泉が効く夫婦仲(敬三)     乾燥と湿気が詠み込まれていて面白い。

〇+3 乾季にも砂の下には生きる種(恵子)   「生きる種」が良い。自然を上手く詠んでいる。

〇+2 ヘアドライ乾く時間の早いこと(純逸)    頭髪が少なくなって、早く乾くようになったことを詠んでいる。「ヘアドライ」は無理がある。「早いこと」ではそのことをポイントで示していることになる。→ヘアドライヤー乾く時間が早くなり

〇+1 氷河減り砂漠広がる青い星(達夫)    海に覆われた美しい青い星の地球が茶色に変わってきている。

「今月の学習」

1.ドアノブにピリッときたら冬近し(睦夫)   「きたら」は要らない。見付けは良い。→ドアノブにピリッと冬はもう近い

2.物干しに娘を守る男物(勝弘)   「乾く」のお題に遠い。娘を守るのは誰?本人のこと?それとも男がいるの?本人の弁:自分の娘の下着の周りを、父親の洗濯物が取り囲んで隠している様子を詠んだ。

3.物干しに地図を残して孫帰る(睦夫)     表現が古い。又、地図が残っていれば未だ濡れている。

4.干上がったダム底に見る我が故郷(達夫)   「我が故郷」では広すぎる。→干上がったダム底に見る我が母校

5.濡れ落ち葉除湿器かけて飛ばしたい(勝次)     奥さんがご主人のことを言っている。「除湿器」では飛んで行かない。→濡れ落ち葉ドライヤーかけ飛ばしたい

6.ちょっと待て枯れたを超えて干からびる(勝弘)   「干からびる」では言い切ってしまっているので、句の上と下で合っていない。→枯れてても干からびるのはちょっと待て

7.ドライアイたまにはスマホ休みましょ(恵子)   「休みましょ」では軽い。「そうですね」の句になる。→ドライアイたまにはスマホ休まねば

8.逆らって干された先はカムチャッカ(勝次)     この「干された」は「乾く」ではない。干したら乾いたというのならよい。

9.安ツアー乾季調べて予約する(睦夫)     東南アジアへの格安ツアーは季節外れが多い。その中で出来るだけ晴れの日が多い時期を選んで行くということ。→格安ツアー乾季調べてから予約

10.緑消え乾く地球の温暖化(勝次)    「地球」は要らない。→緑から茶色に変わる温暖化

11.乾燥機大家族には助け神(恵子)   「助け神」という表現は無い。→乾燥機大家族には救世主

12.洗濯物取り込まれてて今日も無事(純逸)      句意が分かりづらいが、本人欠席の為句意不明。津田先生の解釈:奥様が病気になっていたら、夜帰った時に洗濯物が取り込まれていないことに。今日も取り込まれているということは無事の証拠ということ。 津田先生凄い!

13.喉渇き買ったボトルが開けられぬ(睦夫)     説明のし過ぎになっている。本人の弁:実際に起こったこと。外出先で買ったペットボトルが、焦っているのと力が無いのとで開けれなかった。(前にいた高校生に開けてもらったとのこと)→折角のペットボトルが開けられぬ 

14.ノド乾くも飲んじゃ乗れないドライバー(純逸)    句意が分かりづらいが、本人欠席の為句意不明。津田先生の解釈:「飲んだら乗るな」の標語を茶化して、お酒でなくても飲んだらダメという人がいるということか?           

「津田先生の例句」
1.枯れきってからが瓢箪の使い途

2.一夜干し僕にも別な味がある

3.夏の陽に干からびるもの光るもの

「雑詠」

津田先生〇

〇+3 連休の後にも欲しい骨休め(敬三) (今回の最高点)10連休とするともっと良い→10連休後にも欲しい骨休め

〇+2 キャッシュレス時代迎えて新紙幣(達夫)  →①キャッシュレス時代へなんで新紙幣②キャッシュレス待ってましたと新紙幣

添削

  1 古稀旅行次は傘寿と友と夢(恵子)     次が10年後では長すぎる。→古稀旅行次の旅行へ友と夢

  2 平静に令和を迎え朝寝坊(勝弘)    「平成」と「平静」を掛けたくは沢山出ている。

  3 物忘れ認知疑う妻ジロリ(勝次)    「じろり」が良くない。→妻がまた認知疑う物忘れ

  4 米朝の噺は続き落ちはまだ(純逸)     裏の意味を込めた句だが、「アメリカと北朝鮮」と落語家の桂米朝を掛けた句は多い。

 次回  お題「刻む」

6月14日(金)14時50分から17時。場所は銀座オフィス「銀座ホール」

入会者募集中!

川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。希望者は世話役の石田までお問い合わせください。

指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。

現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)(090-3357-4101)

メンバー 男6名、女性2名。