川柳サロン4月例会 お題「芽」+雑詠1句
4月12日(金) ランバスホール 出席6名 欠席2名 投句8名
津田先生◎or〇 会員よりの得点数 +数字
◎+7 たけのこを靴底で知る春の土(達夫)(今回の最高点)情景が見える。津田先生 靴底でタケノコ探る春の土
〇+4 割り箸で新芽を囲う狭い庭(睦夫)「割り箸」と「庭」の組み合わせが良い。
〇+2 ニンニクも花咲く前に芽を摘まれ(純逸)ニンニクは花に栄養を奪われるので、花が咲く前に切り取られてしまう。人生でもそういうことが有るということを「も」に込めている。
〇+2 切り株に新芽の息吹き愛おしい(睦夫)「愛おしい」、、形容詞だが本人の感情なので良い。(「景色が美しい」というのはダメ)
〇+1 木の芽時やり過ごしたら五月病(恵子)「木の芽時」は神経がおかしくなる時期でもある。これをようやく終えたら今度は五月病に、ということで2つの時期を上手く詠んでいる。
〇+1 春眠を破られそっと芽を開く(純逸)「春眠」と「目(芽)を開く」を掛けている。上手く擬人化出来ている。
〇+0 タラの芽のほのかな苦さ春告げる(純逸)きれいな句。共感できる句。
〇+0 八十路にも芽吹きもあれば花も咲く(淑子)全員選句の後で投句されたので、選句に入らなかった。津田先生から「前向きで良い句。気持ちも良く分かる」とのコメント有り。
「今月の学習」
1. 長所の芽大きく咲かす名コーチ(勝次)最初から長所は見えない。→秘めた芽を大きく咲かす名コーチ
2. 相続の話ひとまず木の芽和え(敬三)「相続」と「木の芽」のつながりが分かりづらい。本人の弁:木の芽和えには山椒が入っていて、さっぱりとしていて気持ちが変わるのと「和え」ということで和のイメージが出る。
3. ムクムクと花芽ふくらみ春踊る(恵子)「ムクムク」と「ふくらみ」は意味が重なる。又「ムクムク」ではイメージが違う。
4. 下馬評に新元号の芽が摘まれ(勝弘)→新元号の案は「芽」とは言えない。
5. 芽が出たと私を起こす子の叫び(勝次)「私を」は要らない。具体的な方が良い。→朝顔の芽が出たと子に起こされる
6.たらの芽と地酒を提げて古き友(敬三)「古き友」に難がある。→たらの芽と地酒を提げて郷里(さと)の友
7.芽の内に見逃し今や惡の花(勝弘)「芽」と「花」の対比は良いが、教条的な句になっている。
8.木の芽和え山椒だとは露知らず(恵子)山椒は「サンショウ」と「サンショ」の両方読める。「サンショ」の方が句が締まって良い。実感できる句。
9.散る花につぼみの頃が懐かしい(勝弘)「散る花に」とすると主観の句か客観の句か不確かになる。主観なら「散る花がつぼみの頃を懐かしんでいる」句になり、客観なら「私が、散る花を見て、つぼみの頃を懐かしむ」句になる。
10.ドラフトで1位だったが未だ2軍(達夫)「だったが」が説明ぽくなっている。「芽」というお題に頼った句になっている。→ドラフトで1位芽を出すのは2軍
11.タラノメをトゲの痛さと食べる春(達夫)食べる時に痛いという風に取れる。→タラノメを指の痛さと食べる春
12.哀しくも雑草芽吹く過疎の村(勝次)「哀しくも」は要らない。美しいものを「美しい」と詠んではダメ。→田や畑に雑草芽吹く過疎の村
「津田先生の例句」
1.ジャガイモの芽をヒョロヒョロと倦怠期
2.間引かれる芽も一斉に生えてくる
3.通勤に遠いが庭に蕗の薹
「雑詠」
津田先生〇
〇+2 元号へ家族揃って評論家(敬三)(今回の最高点½)
〇+2 日本の書で定め元号いい響き(勝次)(今回の最高点½)共感する句。
〇+0 イカナゴの不漁腕振るえない義母(恵子)
〇+0 女子柔道野獣が去ってゴジラ出る(達夫)日本柔道代表の愛称が「ゴジラジャパン」に決まったが、女子選手には不評。知っている人が少なかった。
添削
1 新元号埃を払い広辞苑(勝弘)漢字を調べるのは普通漢字辞典。→新元号万葉集の塵払い
2 拘束と保釈の姿が紛争に(純逸)中8の句。「が」が要らない。保釈の時、工員の「扮装」をしていたことが「紛争」になった。
◎津田先生より元号「令和」について:「令」という字は上につくと「善し」の意味(例・令嬢)、下につくと「命じる」の意味(例・命令)になる。「令和」が命令するような感じで良くないと言っている人がいるが、間違っているとのこと。
次回 お題「乾く」
5月10日(金)14時50分から17時。場所はサピアタワー10階 ランバスホール
入会者募集中!
川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。希望者は世話役の石田までお問い合わせください。
指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。
現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)(090-3357-4101)
メンバー 男6名、女性2名。