2019年最初の美術鑑賞会は1/18の「ロマンティックロシア展」でした。渋谷のbunkamuraに12人があつまりました。
ロシア人作家の作品はあまり見る機会がありませんが、風景画など落ち着いた作品が多く、ゆっくりと鑑賞することが出来ました。
何故か女性が圧倒的に多い日でした。その後、新年会を東急8F「なだ万」で開催、本年度の鑑賞計画を全員で検討し決定しました。
以下はこの展示会を紹介する紹介文からの引用です。
国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシアに寄せて
~ロシア文学者・亀山郁夫氏~
Bunkamuraは、2019年9月に30周年を迎えます。30周年を記念した取り組みのひとつとして、“日本におけるロシア年”、“ロシアにおける日本年”(※)である2018年より、Bunkamura全館をあげて、ロシア文化の魅力を多方面からご紹介する≪Bunkamura ロシアン・セレブレーション≫を開催いたします。
そのひとつである本展『国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア』の見どころを、≪ロシアン・セレブレーション≫アンバサダーであるロシア文学者・亀山郁夫氏にお聞きしました!
イワン・クラムスコイ 《忘れえぬ女ひと》
1883年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
ロシアの絵画を楽しむ秘訣は、ただ漫然と作品を観るのではなく、現実に自分がこの絵の中にいたらどうだろうか?日差しの強さ、空気の湿潤などリアルな感性と想像力をもって絵画の世界に入りこみ、さらに帝政ロシア時代の人々のぬくもりを体感してほしいと思います。
また、カンバスの主役は、自然か、人間かを見極めることも大切です。ご存じの通り、ロシアの大地はとても広大で単調です。しかし画家は、どこまで行っても同じ大地の、ある部分、ある一瞬に感動し、それを絵として永遠に残そうとしたのです。絵筆を取った動機はどこにあり、どこに隠されているのか?それを考えながら丁寧に観ていくと、作品から受ける感動はそれまでとは違ったものになるでしょう。
心に残る、何ら変哲もない一瞬の風景を、膨大な時間をかけて細密に描きとろうとする。そんなロシア特有の風景画の手法は、人物画にも共通します。たとえばクラムスコイの《忘れえぬ女ひと》は近づいて観ると、目に涙を浮かべ、無念の表情をたたえていることがわかります。よく娼婦と解説されるこの女性像にはモデルがおり、画家は彼女に死が迫っていることを知っていました。そんな女性の一瞬の内面のドラマを再現すべく、クラムスコイは無限の努力を傾けて、あの眼を描いたのです。
ロシアの画家は、「その瞬間」に何を込めようとしたのか?それを自分なりに考えながらご覧になると、展覧会をより深く楽しめると思います。
聞き手・木谷節子