川柳サロン12月例会 お題「苦手」+雑詠1句
12月14日(金) ランバスホール 出席7名 欠席1名 投句8名
津田先生◎or〇 会員よりの得点数 +数字
◎+3 弱点を知ってあなたが好きになり(敬三)温かい句になっている。
◎+1 鱗粉に身震いしても蝶は好き(恵子)矛盾した心を表すナイーブな句。
〇+7 お経より説教長いご住職(睦夫)(今回の最高点)説教が好きな人もいるが、概して長い説教は嫌われる。
〇+5 猫舌と言うが熱燗なら呑める(敬三)「猫舌」と「熱燗」の組み合わせが上手に活かされている。
〇+2 手仕事が苦手といえるいい時代(淑子)「手仕事は」とした方が良い。(先生)手仕事は苦手でもいい全自動
〇+1 気が合わぬ人と組まされ絶不調(達夫)絶不調は大げさだが。
「今月の学習」
1.若者とカラオケ行ってただ耐える(達夫)「行って」という動詞は要らない。→若者の知らぬカラオケただ耐える
2.忘却のサインコサインタンジェント(勝弘)「忘却」は一度覚えたものを指すので「苦手」とはならない。→ぞっとしたサインコサインタンジェント
3.お互いの苦手嗤って共白髪(敬三)「嗤う」という字は馬鹿にした笑いのこととなる(作者の弁では意図して使ったとのこと)→お互いの苦手もあって共白髪
4.マージャンは苦手のままが喜ばれ(純逸)見方によっては、ギャンブル嫌いの奥さんがご主人のことを言っているとも取れるが、苦手ではなく上達しないと取って→マージャンは苦手と知って誘われる
5.雀荘のタバコの煙ガスマスク(勝弘)「煙」は要らない。→雀荘のタバコに欲しいガスマスク
6.日本語ができ何故できぬ英会話(勝弘)状態が良く分からない。→幼児でもできる英語が何故できぬ
7.作法苦手横目で盗むお茶の席(勝次)説明的でくどくなっている。→お隣をまねてごまかす茶の作法
8.鶏がいる西表からUターン(淑子)状況が分からない。本人の弁:鳥が大嫌いなのに、旅行で竹富島から西表島に入ったとたん、地鶏が沢山いて、即Uターンしたとのこと。
9.良妻賢母でなくても子は育ち(恵子)8・9の句でリズムが悪い。8のところが4・4となっているが5・3にした方がリズム感は良くなる。→賢母ではないけど子供良く育ち
10.二次会はカラオケなしで参ります(勝次)「なしで」とすると表現があいまいになる。→二次会はカラオケなけりゃ参ります
11.日産はゴーン怖くて言いなりに(達夫)そのままの句になっている。(先生)日産の社員は撞けぬ除夜の鐘(ゴーン)
12.汗かくのは答弁でなく別にして(純逸)「別にして」はあいまいな表現で良くない。→汗かくのは答弁でなくお仕事で→答弁へ大臣汗をかき続け
13.初デート彼女の好み大捜査(恵子)好みを大捜査では「苦手」とは言えない。→好き嫌い確かめておく初デート
14.月給日集金のママ受付に(睦夫)本人の思い出の句。「月給日」を下に持って行った方が句が締まる。→受付に集金のママ月給日
15.年をとる苦手がどんどん増えていく(淑子)中8の句。「苦手が」の「が」を取っても良いが→年を取るたびに苦手が増えていく
16.良薬に手を加えても飲みにくい(純逸)「良薬口に苦し」の「苦い」に「手」を加えて「苦手」となる凝った句。
17.寒さ苦手のカピパラ浸るいいお顔(勝次)表現がくどくなっている。→カピパラも寒さが苦手いい湯だな
「津田先生の例句」
1.立ったままで穿けなくなってきたパンツ
2.帰宅する度に車庫入れ頼む妻
「雑詠」
津田先生◎or〇
◎+2 塩害にモミジが見せる涙色(達夫)
◎+1 大晦日落としきれない垢がある(恵子)気持ちが良く分かる素直な句。「煩悩」という垢を上手に比喩で詠んでいる。
〇+4 万博でシニアの夢がひとつ増え(敬三)(最高点)「ひとつ」が効いている。タイミングの良い句
〇+1 「平成最後」これが真の流行語(純逸)「 」は協調の為なのでOK。
添削
1.年賀状余白に添えた見慣れた字(勝弘)「年賀状」を下に持ってきた方が良い→見慣れた字余白に添えた年賀状
2.卒五十年今年かぎりと来る賀状(勝次)卒50年では早すぎる。→元上司今年かぎりと来る賀状
次回 お題「感謝」
1月8日(火)15時から17時。場所は八重洲のいつもの貸会議室です。
川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。開催場所は世話役の石田までお問い合わせください。
指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。
現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)(090-3357-4101)
メンバー 男6名、女性2名。
kg-tokyo.co内のサークル活動「KG川柳サロン」をご覧ください。毎月の成果が出ています