川柳サロン10月例会 お題「惜しい」+雑詠1句

10月9日 貸会議室プラザ八重洲北口  出席7名 欠席1名

津田先生◎or〇  会員よりの得点数 +数字

◎+7   結末を取っておきたく本を置く(純逸)気持ちが良く表れている。「おきたく」が少々難。

〇+5 口数を減らせばきっと良い女(敬三)「きっと」で美人ではないことが分かる。

〇+3 売り惜しみしているうちに行きそびれ(達夫)親が娘のことを言っているのではなく、美人で良くモテた本人のこと。

〇+2 徒競走Bカップなら勝っていた(恵子)AかDにした方が面白い。

〇+2 春惜しむ思いの深さ年ごとに(淑子)春=桜なので夏でも秋でも冬でも句に合わない。さらっとしているが良い句になっている。

〇+1 4回までずっとリードもノーゲーム(達夫)4回コールドで野球と分かる。

〇+0 もう逝くの老け役に合う樹木希林(勝弘)

「今月の学習」

1.ポイントを使い切れずに期限切れ(純逸)「使いきれずに」が説明になっている。→気が付けば又ポイントの期限切れ

2.捨てきれずいつか使うでゴミ屋敷(勝弘)「捨てきれず」と「いつか使う」は意味が重なる。→そのうちに使う使うでゴミ屋敷

3.富士側の部屋は取れたが雨ばかり(敬三)似た発想の句が多く有る。

4.株式を売ったとたんに最高値(純逸)「株式」ではなく「株」となる。→高値だと売ったとたんに最高値

5.旅立ちの見送る駅の惜しむ声(勝次)助詞の使い方が良くない。何の旅立ちか分からない。(詠み手の弁:昔、高卒で東京の自衛隊に行く仲間を駅で送った時のことを詠んだ)詠みたい気持ちが出ていない。

6.惜しかったこともあったと籤売り場(睦夫)宝くじの句は今までさんざん詠まれておりよっぽどでないと難しい。それでどうしたという句になっている。

7.聞きたかったところが何と割愛と(達夫)状況が見えない。ピンとこない。(本人の弁:講演会で、時間切れの為、肝心のところが話されなかったことを詠んだ)

8.500円玉自販機の下ころころと(敬三)→500円玉自販機の下へ逃げ

9.趣味没頭休日過ごす惜しくない(勝次)「休日過ごす」の「過ごす」は要らない。ブツブツ感があり流れが悪い。お題の「惜しい」で「惜しくない」→動詞の反対語は許されるが、「惜しい」は形容詞なので良くはない。→休日の趣味没頭も惜しくない

10.不倫疑惑だけで人気に陰り出る(恵子)説明ぽい句になっている。→不倫疑惑だけで陰りが出る人気

11.あのときにあれを握れば役満に(淑子)麻雀で「握る」はあまり言わない。→あの時にあれ置いとけば役満に

12.惜しかった大臣の椅子遠ざかる(睦夫)原因が分からない。擬人化する→失言が大臣の椅子遠ざける

13.惜しいから安物傘と決めている(勝次)説明になっている。→惜しいから傘安物と決めている

14.うっちゃられ惜しかったねも上の空(睦夫)そうかな?の句。インタビューされても、ハアハアゼイゼイで言葉にならないことを詠んでいる。

15.吉なのに恋愛運は望みなし(恵子)「恋愛運」より「金運」の方が面白い。

「津田先生の例句」
1.ノートパソコン車窓の富士に気づかない

2.キャタピラーに食わせる大根とキャベツ

3.発電をしたらと思う那智の滝

「雑詠」

津田先生◎or〇

◎+2 天災があまねく巡る大八洲(勝弘)「あまねく」と「大八洲」が上手く生きている。

〇+3 障害は雇用ごまかす諸官庁(純逸)障碍者の雇用を推進すべき諸官庁が不正をしている。

〇+0 丸刈りの逃亡万引きでエンド(睦夫)9・8の句。17文字であれば良いというのではない。「7・5・5」,「8・9」,「9・8」なら5・7・5のリズムを内在しているのでOK。

添削

1.毎年が異常気象が異常です(達夫)助詞が重なっている。→異常気象毎年続くのが異常

2.来る楽しみの故郷発の秋の味(勝次)「の」が重なっている。→楽しみは故郷発の秋の味

3.駅前に伏し目で通る募金箱(敬三)→駅前で伏し目にさせる募金箱

4.日本列島偏西風と同期する(淑子)見立ては面白いが「台風」を入れないと句意が見えない。

次回  お題「厄介」

11月9日(金)14時30分時から17時。場所はサピアタワー10階「ランバスホール」です。

川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。

指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。

現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)。男6名、女性2名。

kg-tokyo.co内の「KG川柳サロン」をご覧ください。毎月の成果が出ています。