平野敬則さんの個展に寄せて
湯川 夫美子
40年会は時々集まって、お花見クルーズをしたり、花菖蒲を鑑賞したり、様々な珍しい料理を味わったりして親交を深めています。
今回は芸術鑑賞で銀座7丁目の櫟画廊で開催されている同期の平野敬則さんの個展に、7月18日、6人で行ってきました。
「抽象への追憶」と題された展覧会は、もはや会社勤務の間のブランクを感じさせないどころか洗練されたプロフェッショナルな絵画ばかり。
大小さまざまな油、水性ペンキなどのモノトーンの絵に混じって、深い赤が効果的に使われ、印象に残ります。構想に長く時間をかけ、取り掛かれば一気に描き上げるとの説明が納得できました。
風景を描いた水彩画が素敵な平野さんを知っている我々の、「写実から始められて、抽象画へ?」の質
問に、「いえ、僕は抽象画からのスタートです。KG時代に所属していた絵画部弦月会の先輩だった吉原 治良氏が、具体(グタイ)という美術団体を立ち上げ活躍していたことから、部全体がグタイの影響を受けていたのです。そんなこともあって、私も最初から抽象画を描き始めたのです」とのこと。
「グタイって知ってますか?世界で知られている日本の美術団体といえばグタイくらいですよ」。
グタイ??? 知らん! 何ぞや? 内心あきれながら平野さんは無知な我々に創設者の吉原治良氏が関西でグタイという美術団体を起こし、日本の現代美術の先駆けとなったかを説明してくれました。最近では世界だけでなく日本国内でも、このグタイが再評価されてきていること、また吉原氏はKGの先輩で、絵画部弦月会は、グタイの活動の波に影響を受けて熱気にあふれたグループだったとのことでした。
次は今年9月20日から26日まで京橋の並樹画廊で平野さんの素晴らしい水彩画展があります。皆さま是非どうぞいらしてください。
さて、少し賢くなって外に出れば、猛暑、歩いて10分程の銀座2丁目まで3人づつタクシーに乗りました。おなじみ「バグースプレイス」でランチ。ここを紹介してくれた永尾さんも加わり、今月のバイキングは暑さを考慮したスパイシーな料理で、おしゃべりを楽しみました。やはりサラダをたくさん食べる人が多いようでした。話題は、政治、経済、趣味、災害について。何でも話せて肩の凝らない面々は、お金では買えない宝物です。
これからも、残された人生を共に楽しく過ごしたいと思いながら、解散しました。