川柳サロン3月例会 お題「寒い」+雑詠1句 3月13日(火)ランバスホール 出席8名
津田先生◎or〇 会員よりの得点数 +数字
◎+7 寒いねと納骨の雪そっと拭き(勝次)「納骨の雪」で納骨箱の雪を表せないのではという意見があったが、先生より、一連の納骨の動きの中に入っているので、これで充分表現出来るとのこと。
◎+4 水蒸気ダイヤモンドになって舞う(純逸)「舞う」より「舞い」にした方が柔らかい表現になる。→水蒸気ダイヤモンドになって舞い
◎+2 シャッター街シルバーカーに風が吹く(勝弘)「シャッター街」「シルバーカー」「風」と3つの寒さが上手く重ねて詠まれている。本当に寒々している。
〇+4 慰安会酔いに水差す親父ギャグ(勝弘)「慰安会」でなく「宴会の」の方が良い。本人の説明では「慰安会」にした方が女性も参加しているイメージが出るためとのこと。
〇+2 振り回され凍ってみせる濡れタオル(純逸)「凍ってみせる」が面白い。TVレポーターのパーフォーマンスを上手く表現している。
〇+2 冗談に背筋が凍る時もある(恵子)実感の句。
〇+1 雪掻きに滴る汗と白い息(達夫)「滴る汗」と「白い息」が並列になっている。→雪掻きの滴る汗へ白い息
〇+1 ヒーターもリモコン妻のもとにある(睦夫)「も」でTVのリモコンと合わせて妻の主導権が上手く表現されている。
〇+1 ピョンチャンもメダル貰えば寒くない(敬三)「ピョンチャン」というだけですごく寒いことが伝わる。「寒い」のお題で「寒くない」は良くないのではという質問に、先生から「動詞での表現ならOK」とのお答えが有った。
「今月の学習」
1.寒いから禁酒はやはり止めにする(敬三)「寒いから」ではなく「寒いので」の方が良い。「禁酒」とするとずっと続けているものになる。→寒い日はやめにしておく休刊日
2.寒気団ちいさい家を狙い撃ち(淑子) →「寒気団」という大きなものとの対比が面白いが、小さい家が寒いとは言えない→寒気団ちいさい古家狙い撃ち
3.断捨離の度が過ぎ部屋が寒くなり(敬三)「度が過ぎ」は表現がきつい。→断捨離をやりすぎ部屋が寒くなり
4.近寄ればぴたりと止まる話し声(勝弘)「寒い」というお題から遠い。
5.足も手も痺れる葬儀冬の寺(達夫)流れが悪い。→厳冬の寺の葬儀に手足麻痺
6.思うから寒いが母のしつけとか(淑子)→思うから寒いと母にしつけられ 本人の説明では、ご主人のお母さんの言葉をご主人から聞いたので「とは」としたとのこと。事実をそのまま出す必要はない。分かりやすく表現する。
7.心頭滅却?寒いもんは寒い(恵子)「?」は要らない(原則的に使わない)。
8.降る雪の丹頂鶴が舞を見せ(勝次)「雪」だけで寒いを表すのは無理がある。→寒さにめげず丹頂鶴が舞を見せ
9.寒点は育ちによって違います(恵子)その通りの句。「ます」では説明的になる。
10.子の虐待心が凍る身勝手さ(勝次)「寒い」のイメージから離れている。
11.風邪ひくよとそっと毛布の温かさ(達夫)「寒い」より「冷える」のイメージの句。うたた寝に妻の毛布の温かさ
「先生の例句」
1.恋すればうすももいろの寒の月
2.指輪まで外して寒い手術台
3.稲穂までお辞儀忘れている冷夏
「雑詠」
津田先生◎
◎+2 日常が日常にあるありがたさ(淑子)「日常」のリフレインが効いている。
津田先生〇
〇+3 母の愛イカナゴに込め届く春(恵子)
〇+1 AIが上司になれば派閥無し(達夫)
〇+1 つまずいてそれらしき物見当たらず(勝弘)実感の句。
〇 猫舌というが熱燗なら飲める(敬三)本当の熱燗はそれほどでもないが、ユーモアがあって良い。
次回 お題「刻む」4月10日(火)15時からランバスホールにて
川柳に興味をお持ちの方へ
ランバスにお越しください。見学自由、無料。
例会は毎月第二火曜日15時から17時。毎月の会費1500円(半期払い)と場所代200円。
指導は著名な津田暹(すすむ)先生。雑誌「川柳研究」元編集及び発行人。 東工大s36卒業。市原市在。
現在世話役小山内惠子(s45)、石田達夫(s45)。男6名、女性2名。
kg-tokyo.co内の「KG川柳サロン」をご覧ください。毎月の成果が出ています。
お待ちしております。