2017年9月度 E-News & Songs
Seven decades of confrontation 2017.9.15
今年は、インドとパキスタンが独立して、70周年となります。
しかしこの間、両国は、紛争と敵意の応酬の70年でもあり、現状は手詰まりの状況です。これは1947年8月の分離時の調停・和解の失敗で、この時100万人が死亡、1500万人が移転を強要され、この時の憎しみと不信が、今日まで継続しているのです。
このため、領土、核兵器保有、テロなどの諸問題で対立は先鋭化し、米国、ロシア、中国などを巻き込んだ代理戦争の様相も散見されているところです。
この地域はもともと多神教で、輪廻や転生を唱える最も古いヒンドゥー教の土地柄でした。通説によると、711年にイスラム教が伝わり、その過程で支配層はムスリム、民衆はヒンドゥー教徒となり、どちらも宥和政策をとり、共存してきました。 そのままの状態が続けば両国は分離せずに済んだかもしれません。
1877年、ビクトリア女王を皇帝とするインド帝国が誕生し、その支配下で植民地政策により、様々な分野で分割統治がおこなわれ、その結果、この政策に対するヒンドゥー教徒とムスリムの反応の差が、今日の対立にまで繋がっているのです。
残念ですが、暗殺されたマハトマ・ガンディーでさえ、両国の宥和を図ることができなかった、根深い対立が残されているのです。
私たちのサークル「E-News & Songs」は英語の勉強だけではなく、Editorialsの内容を中心に幅広く、歴史や文化、宗教、地政学などを少し深堀し、勉強する良い機会を私達に与えてくれています。
今回のテーマを担当し、インドとパキスタンは、少し近い国となりました。 藤本