2016.7.14.
E-News&Songs 7月例会報告
Britain, an island again
英国はEuropean Union から離脱し、再び島に帰ったという結論は英国はもとよりヨーロッパをはじめ全世界に大きな驚きをもって迎えられました。今回の英国のEUからの離脱は、2回目の国民投票であることをご存知でしたか、1975年に当時のECからの離脱を国民投票で問い、結果は残留でした。その後、EUは加盟国も増加し28か国となり、組織も肥大化し、また膨大な規制と処理面での官僚化が散見されるところであります。このような現状は、英国人にとって国の主権の及ぶ範囲が縮小され、経済活動への機会が魅力のないものとなり、また、身近な問題として、移民の急増による雇用の減少や安全と福祉への脅威となりつつあります。国内問題では、グローバル化と開放政策により、強い英国を実現してきましたが、一方では繁栄から取り残された非エリート層、高齢者や若者層との格差の拡大が生じています。
この様な、国内外の難しい諸問題の中で国民投票が行われました。英国は議会制民主主義の発祥の地であり、今回の件も議会での討論と決議を踏むべきと考えますが、キャメロン首相が国民投票を選んだことは残念でした。もし、安易な道を選択したのであれば、失策といわれても仕方がないかもしれません。
最後に、ティム・ヒッチンズ英国駐日大使は6月29日読売新聞のインタビューで、本件について以下の様に述べています。
・EU離脱を支持した人たちは、EU本部の官僚主義や規制を嫌ったのであり、内向きの英国を求めたのではない。彼らは決してポピュリストではない。
・今後、「離脱は良い離脱」になるように努力する。 EUの単一市場に参加し、他の27か国との友好関係を維持する。
・英国に進出する日本企業に15万人が雇用されており、自動車産業や鉄道産業は日本のお陰で回復した。 今日、進出企業の関係者70人を大使館に招集、今後のEUとの離脱交渉で英国政府に、何を望むのかを聞かせてもらった。
・日本を重視する姿勢は従来通り変わらない。 藤本