5月10日(火)於:ランバスホール  出席10名(欠席投句4名)

評価(先生+会員)

◎+6 手影絵を映す障子が消えていく   澄子

〇+7 また飲もう見舞いの友の指しぐさ  大輔

◎+5 指差しに時間をかけてカギ忘れ   淑子

〇+3 痩せたいな指輪くるくる回るほど  澄子

 4  すいか持ち弾いた音で甘さ聴く   純逸

〇+2 お話指さん元気な核家族      惠子

    指切りに賞味期限を付ける歳    大輔

    玄関で指呼確認をさせられる    睦夫

    三つ指を付いた白魚豚足に     惠子

〇+1 指にぶいこんなに口は動くのに   淑子

    スマホ操作小指はいつも楽隠居   澄子

    ゆく水にあなたの名前書いてみる  好孝

    ゴミ出しをパックの顔で指図され  敬三

    トゥリングそれより下駄の似合う足 淑子

〇   うしろ指さされず注目もされず   純逸

「今月の学習」

すいか持ち弾いた音で甘さ聴く(純逸)  →西瓜 「持ち」は不要 甘さ聴くがよい。

 →弾かれた西瓜の甘さ音で聴く

指きりのかたい約束今いずこ(のぞみ)  指きりと約束は同じ

 →あれほどの固い指きり今いずこ

爺爺器用言われてプラモ作らされ(康弘)  →器用と言われ孫にプラモを作らされ

また飲もう見舞いの友の指しぐさ(大輔) 指しぐさという言葉は苦しいが通じる。

  ~見舞いの友へ~  とすると患者視点になる。

指にぶいこんなに口は動くのに(淑子)  「にぶい指」でよい。対比が面白い。

箸使い育ちわかると人は言う(勝次) 「人は言う」は客観的になり弱くなる。

 →~育ちがよくないと言われ

子の写真いつもどこでもVサイン(敬三) 写真に限らない。

 →向けられたカメラへ子らのVサイン

ゆく水にあなたの名前書いてみる(好孝) 「往く」にすると、過ぎ去っていく水と

 過去を思い出している気持ちが感じられる。

ゲームには負けた仕返し指相撲(睦夫) →相撲なら勝てるゲームには負ける指

お話指さん元気な核家族(惠子) 歌の題は固有名詞なので「おはなしゆびさん」

 8・9はよいが ~とても元気な(または愉快な)~ にすると安定する。

赤い糸2本め目探す人が増え(達夫) 赤い糸だけでは指を連想できない人もいる。

 →~2本目探す指が増え (高齢者の再婚を詠んだそうです。)

トゥリングそれより下駄の似合う足(淑子) 皮肉が入って面白い。

 足指のリングを知らなくて句意をわからない人がほとんどでした。

指二本がCM稼ぐ五郎丸(勝次) 句意はわかるが「CM稼ぐ」はぎこちない。

 →CMにひっぱりだこの指二本   時事的なのでしばらくは五郎丸がなくてもわかる。

痩せたいな指輪くるくる回るほど(淑子) オーバーだがユーモラス

人のこと指さしするのは許せない(のぞみ) 中8  →指さしするは

指先で未知を知らせるバスガイド(達夫) 見つけはよいが、未知はいかがか。

かざす指一本ずつがものを言い(睦夫) 指認証なら ~一本だけで~

 手話をイメージしたそうですが、それではかざすと言えない。

指名され僭越ながら自慢顔(勝弘)句意はわかるがぶつ切れ感がある。

 指名は、本当の指から離れる。

「今月のお手本」   津田暹先生

 こんな日もあるさ指先紙で切り

「おまけ」

 川柳募集  川柳研究社 雑詠三句 投句締切 6月15日

 次回 6月14日(火) 「ゆっくり」