4月例会では西洋美術館で開催中の「カラヴァッジョ展」を鑑賞しました。2014年に幻の名画「法悦のマグダラのマリア」が発見され、彼の真筆と認定されました。その作品が世界で初めて公開されたのです。
カラヴァッジョは光と闇を描いた作家、社会的弱者への眼差しを大切にしたと言われています。
主催者のパンフレットからの抜粋をご参照下さい。

カラヴァッジョ展・国立西洋美術館 激情の天才が見た光と闇

「法悦のマグダラのマリア」1606年 個人蔵「法悦のマグダラのマリア」1606年 個人蔵

『美術史に残る天才の一人で、バロック美術を代表する画家、カラヴァッジョ。西洋絵画に革新をもたらした巨匠にして、その生涯は血と犯罪に彩られている。彼ほど謎に包まれた画家は少ない。60点ほどとされる全作品のうち11点を集めた展覧会が東京・上野の国立西洋美術館で開かれている。

 一番の話題作は世界初公開となった「法悦のマグダラのマリア」だ。死んだときに手荷物の中にあった3点の絵画のうちの1点とされる。死後400年以上所在がわからず、2014年に個人コレクターのもとで発見された。同じ構図の模作が多数制作されたが、カラヴァッジョ研究の権威が本作を真筆と認めた。

 新約聖書に登場する聖女を題材にした作品で、闇を背景に白い肌と衣装が際立つ。わずかに開いた口や目、組んだ指や顔の細やかな陰影。マグダラのマリアが悔悛(かいしゅん)し、神への祈りに恍惚(こうこつ)となった表情をとらえ、深い精神性をたたえた名作だ。

 けんかがもとで殺人を犯してローマから逃亡中、近郊の町で身を隠していた1606年の夏に制作された。新約聖書の一場面を描いた「エマオの晩餐(ばんさん)」もそうだが、殺人後の作品は、それ以前に比べ、熱狂が秘められすごみが増した感がある。』

写真は「カラヴァッジョ展」の大型ポスターと、西洋美術展前庭のロダン「カレーの市民」「考える人」です。