【講演の概要】

三日月会9月度は防災月間に因み、講師に甘中繁雄様をお招きして防災についてお話し頂きました。55名の皆様がご参加下さいました。ありがとうございました。

 甘中さんは1995年の阪神・淡路大震災で被災されたのを契機に防災士の資格を取り、以後防災士の育成や防災・減災活動に取り組んでおられ、日々、講演活動などで全国を飛び回っておられます。

 高い確率で発生すると言われている首都直下型大地震、実際の記憶も生々しい茨城や鬼怒川決壊による水害、御嶽山の噴火など、自然災害の脅威を思い知らされています。日本はまわりを海で囲まれ多くの地震帯やプレートがひしめき合っている上、土砂災害などの危険箇所も多数あります。このような自然災害に対して日頃からどのようなことを心がけておくべきか、もしもの時、家族を、友人を守るためにどうすればよいかについての講演に熱心に耳を傾けました。

 2011年の東日本大震災では、首都圏に住む我々も地震の恐怖を体験しました。それにもかかわらず何の対策も取っていない人たちが約4割もいるそうです。理由は「自分は大丈夫という思い込みで、災害心理学上では『正常性バイアス』というそうです。異常事態が起こっても正常の範囲内と思い、安心しようとする心の動きです。そのために逃げ遅れたりして大きな被害を招くことになります。災害に直面したときは『同調性バイアス』が作用します。他の人と同じ行動を取ろうとする心の動きで、緊急時には瞬時の的確な行動がとれなくなるそうです。いつ自分のまわりで災害がおきても不思議ではなく、正しいイメージをもちそのときにどのような行動を取るかを想定しておくことが大切です。

 日頃から災害と向き合ってこられた甘中さんが一番伝えたいことは、「自分の命は自分で守る」ということ、「自助」です。大災害になれば「公助」はすぐには得られません。行政自身も被災し機能はマヒしています。膨大な被害が発生しても救助は来ない、そんなとき、愛する家族を、周りの人を助けるのは「自分の命」があってこそ、それが災害を最小限に食い止める原点だとおっしゃいます。

 災害に関する法律を知っておくことも大切です。災害救助法や災害対策基本法、被災者生活再建支援法など。救済支援金は申請しなければ得られないのです。

 最近、東京都では『東京防災』という災害対策の冊子が各戸に配布されました。非常にくわしく記載されているので必要な情報の確認をしてほしいとのことです。

 先日の鬼怒川決壊の被災地域に甘中様も現地調査に入られ、その時の様子もお話しくださいました。また阪神・淡路大震災をモデルにしたシミュレーション映像が大音量でスクリーンに映し出されました。映像を見、お話をお聞きして、自然災害と隣り合わせの私たちの生活。穏やかな時にこそ、しっかりと対策を考えておくべきと肝に銘じました。

 「バッグにはペットボトル1本を心がけてください」とのことでした。ここからスタートしましょう。

【以下ご案内文です】
栃木、茨城、宮城での大水害の被害が報道されております。被害に遭われた皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。

私達ももう一度自分たちの防災意識を確認しませんか。締切は、17日(木)午前11時までに延長させていただきました。締め切りがせ まっております。お申し込みお急ぎください。
三日月会9月例会は防災月間にちなみ、防災教育や減災社会の実現に向けて活躍されている甘中繁雄氏をお迎えし「多発する自然災害に備える」をテーマにお話しいただきます。
災害列島といわれる日本では近年、地震、津波、土砂災害また火山噴火など様々な自然災害が多発し、多くの命が奪われています。どうすればこういった自然現象から命を守れるのか?自分の住んでいる地域ではあり得ない、自分だけは大丈夫!という思い込みはないか?「ちょっとだけ知識を得て発想を変える」それだけで命が助かる確率が上がります。
阪神淡路大震災、東日本大震災という2度の被災体験と多くの被災地調査やボランティア活動から感じられたこと、命を守るために大切なことを語っていただきます。多数の皆様のご出席を賜りますようご案内申し上げます。

日  時 :2015年9月24日(木)12:15~13:30
場  所 :関西学院大学東京丸の内キャンパス ランバスホール
千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10階
  3階サピアタワーオフィスロビー受付前に「三日月会受付」(11:30~12:10)を設置。
会  費:1500円(軽食は11:45から講演前にお出しいたします。)
スピーカー:甘中繁雄(かんなかしげお)氏 
(NPO法人日本防災士機構理事、株式会社防災士研修センター代表取締役)
1951年兵庫県生まれ。1974年関西学院大学法学部卒業。
1995年西宮市の自宅で阪神淡路大震災に被災したことを原体験として、大手アパレル企業を早期退職し、防災士制度設立に参加。現在NPO法人日本防災士機構理事、株式会社防災士研修センター代表取締役として、数々の災害現場での調査活動やボランティア活動をもとに全国各地で防災研修を企画・実施し、地域の減災に貢献する「防災士」の育成に取り組んでいる。

タイトル : 『多発する自然災害に備える~あなたは家族の命を守れますか?』

*申込締切は、9月17日(木)午前11時(締切厳守)です。
人数に制限がございますのでお早めにお申込み下さい。
なお、出席される方のみお返事を頂きますようお願いします。            

*お申し込み方法:お申し込みは締切りました

同窓会東京支部の kg.tokyo@nifty.com へのメール返信では、申込み受付出来ませんのでご了承ください。
*お問合わせ先:東京支部  TEL 03-5224-6226  FAX 03-5224-6227
  E-mail: kg.tokyo@nifty.com

【次回予告】 10月度三日月会は10月21日(水)
講師:持谷寿夫氏(株式会社みすず書房代表取締役社長)
タイトル:「専門書出版の今、変わる知の再生産のなかで:『夜と霧』からピケティまで」を予定
                   以上