7月の例会は東京芸術大学美術館で開催の「ヘレン・シャルフベック」展でした。
「ヘレン・シャルフベックー魂のまなざし」参加は新加入のK氏ご夫妻を含めて14名。シャルフベック(1862-1946)はフィンランドでは国民的な英雄となっている女性画家です。5期に分けての展示でした。
1・初期(ヘルシンキからパリへ)3歳の時のケガで不自由な身となりますが、先生に見出されて素描学院に入学。「雪の中の負傷兵」で高評価を得て奨学金でパリに留学します。「快復期」は彼女の記念碑的作品となり、フィンランドを代表する画家となりますイギリス人画家との婚約が一方的に破棄されるというショッキングな出来事にも見舞われました。
2・フランス美術の影響と消化。ヘルシンキから北へ60km,ヒュヴィンカーのアパートで母と15年。パリ留学中の視覚的体験が一気に開花します。2人の男性(画商ステンマン・画家ロイター)との出会い。ロイターへの片想いも。
3・肖像画と自画像。モデル探しに苦労。「黒い背景の自画像」=フィンランド芸術協会の依頼作品は、数多い自画像の中でも代表作となっています。
4・自作の再解釈とエル・グレコの発見。母の死後タンミサーリに移住。ステンマンの提案で彼女の作品の再解釈に着手。同時にエル・グレコの影響を受けます。
5・死に向かって:自画像と静物画。「自己消去」の自画像。 1944年第2次世界大戦の激化でスウェーデンの療養ホテルに定住し、終の棲家となり88歳で亡くなりました。
彼女の生き様はまさに、「絵に生きて、絵に死んでいく」(展示会のPR映像より)ものでした。
写真は展示会ポスター(下)と、7/12フェスタ2015でのサークル展示(上)です。