皆さん、こんにちは。今月号は、スペシャルなコンテンツがあります!なんと、今年7月に芥川賞を受賞された同窓生の作家、松永K三蔵さんからメッセージを頂戴することができました!受賞された「バリ山行」についてのコラムも、マガジンの後半にありますので、頭から終わりまでどうぞお楽しみください。

新月フォトクラブ、今月の写真です(禁転載)

タイトル: 晩夏燃ゆる空
作 者: 藤谷 尚弘(昭和50年 商)
コメント: 真っ赤な西の空とマンション群の照明光とのコントラストが幻想的でした
撮影場所: 横浜市青葉区

【芥川賞作家 松永K三蔵さんからのメッセージ】

同窓会の皆様へ

この度はご紹介いただきまして、ありがとうございます。
2003年文学部卒の松永K三蔵と申します。
このようなかたちで同窓の皆様にご紹介いただきまして、大変光栄に存じます。
後に「氷河期世代」と言われる私は(そればかりが原因ではありませんが)内定を得ぬまま卒業し、その後仕事を転々としました。
今も学生課で管理している私の卒業後の進路の欄は空欄のままのはずです。
 
関学の時計台の背後は甲山。その先、西に連なる六甲山系。
『バリ山行』はそんな六甲山系に登る「山岳小説」です。
そして卒業後、各界でご活躍されておられる皆様にとっても、
もしかしたら思い当たるようなことがあるかもしれない「お仕事小説」でもあります。お手に取っていただければ幸甚です。
 
そういえば、学生課からは何度かその後の進路を確認する封書が実家に来ておりました。私は頑なに、それを返すことをしませんでしたが、そろそろ回答しようと思います。

松永K三蔵

■東京支部からのお知らせ

三日月会2024年10月度例会のご案内

三日月会例会は10月5日(土)に開催します。

演題 :「電波望遠鏡で知る宇宙の歴史」
三日月会10月度例会は、銀河の中に巨大ブラックホールが存在することを世界で初めて証明するとともに南極内陸部の高原地帯に新しい基地と世界的な電波望遠鏡の建設にも参画するなど天文学の発展に尽力し続けている当学院前理工学部教授 理学博士の中井直正氏を講師にお招きし講演をしていただきます。

例会の会員の方々へのメール、faxでの案内は9月14日を予定しています。申し込みまでしばらくお待ちください。


三日月会担当 西弘信 1977年法学部卒

第八回SDGsカフェのご案内(予定案)

東京支部主催第八回SDGsカフェを以下のように予定しております。多くのご参加をお待ちしております。

  • 日時:2024年11月30日(土 )15時から16時半ごろまで
  • 場所:アクタス スーホルムレストラン 天王洲アイル
  • 講演者:西 弘信 氏
    同窓会東京支部副支部長
    (株)アクタス環境担当相談役
    家具インテリアリサイクル&リニュー協議会副会長 
  • 講演案:「―我々は、地球を救う最後の世代になるかもしれない―
    廃棄される家具をゼロにしたい!家具業界が団結、本気の再生循環プロジェクトが始まった!」

申込開始(メール、HPなどでご案内)は、10月中旬頃を予定しています。申し込みまでしばらくお待ちください。
上記はあくまでも現在の予定であり、コロナなどの事象により変更・中止などもあります。その節はご了承ください。

第6回「楽しく整理収納を学ぶ会」
-QOL(生活の質)をあげて 快適な毎日を!

9月になっても残暑が厳しい日が続いています。昨年11月に第1回開催から 6回目の開催を迎えることとなりました。これまでの開催にご参加いただけなかった方でも 毎回違うテーマでの開催ですので 直ぐに打ち解けて 楽しく参加いただけます。

第6回のテーマは 「水回り(除くキッチン)の整理収納」です。
洗面所 バスルーム 洗濯機周り トイレなど 整理収納の効果が上がりやすい箇所でもあります。毎日使う場所なので 整理収納が促進されるとともに清潔な状態も保たれ 生活の質が上がります!
整理収納の基本、理論 巷で話題の収納グッズなどのご紹介など 直ぐに使えるヒントも満載です。
今回は 家族全員が使う場所ということで 同窓の方だけでなく ご家族の参加も可能とさせていただきます。
(小学生以上で 約2時間 座ってお話しを聞いていただける方を対象とします)

*本サークルは年会費、入会金不要。
定例会は2か月毎に開催(原則奇数月の第3土曜日午前)。テーマにご興味があり、ご都合が合えばご参加いただけます。参加費は 実費の1,000円のみ。

整理収納アドバイザー認定講師の資格を持つ横田敦子(1983年卒)が、その日から使えるヒントをお伝えします。参加者同士の情報・意見交換を交えながら、楽しく整理収納を学びましょう。

****第6回定例会 テーマ 「水回り(除くキッチン)の整理収納」 ****
■日時 2024年9月21日(土)10:30〜12:30
■場所 関西学院同窓会本部 銀座オフィス 
■参加費 1,000円 (当日ご持参ください) ご家族は お一人500円の参加費となります。
■講師 横田敦子(1983年社会学部卒)
    整理収納アドバイザー2級認定講師
    デジタル整理アドバイザー認定講師
    職場整理収納アドバイザー認定講師
■申込方法 Googleフォームにて
    参加希望の方のみで結構です。
    参加受付は前日まで行っていますので お申込みは必ず行ってください。
    当日使用する資料の準備のためにご協力お願いいたします。
    https://forms.gle/127EpXFErNoF24A98
■締め切り 2024年9月20日(金)
■お問合せ 世戸さつき(1976年文学部卒) 連絡先 satsuki@abox2.so-net.ne.jp
      Googleフォームが開けない/使えない場合もこちらから申込を受け付けています。


■第7回 定例会の予定(予定は変更される場合があります)
2024年11月9日(土)10:30~ 銀座オフィスにて
この回は 第3土曜日ではありませんので お気をつけください。
テーマ「玄関周りの整理収納」

■今月のアート

戸栗美術館 「古伊万里から見る江戸の食」展

会  期:~2024年9月29日(日) 
休 館 日:月曜日 火曜日[ただし、9月16日(月・祝)と9月23日(月・祝)は開館]
開館時間:10時~17時 (ご入館は16時30分まで)  
     金曜日と土曜日は午後20時まで開館(ご入館は19時30分まで)
会  場:戸栗美術館
詳細については美術館のサイトをご覧ください。https://toguri-museum.or.jp/tenrankai/index.php

今回は、戸栗美術館の「古伊万里から見る江戸の食」展です。

公益財団法人戸栗美術館は、1987年11月に鍋島家屋敷跡にあたる渋谷区松濤の地に開館しました。コレクションは伊万里、鍋島などの肥前磁器および中国・朝鮮などの東洋陶磁を主体として約7000点を所蔵しています。

 江戸時代に誕生した伊万里焼は、食器として主に大名や公家などの上流階級層に流通しました。現代の食文化のルーツとされる江戸時代後期には料理文化が著しく発展し、磁器需要の裾野も広がりをみせます。 今でこそ鑑賞品として美術的な価値を見出されている伊万里焼ですが、今展では「使う」ことに着目しています。食事の場面で伊万里焼がどのように使用されてきたのかを、約80点の出展作品から紐解きつつ、江戸時代の食文化が紹介されています。江戸時代の風俗をうつす浮世絵からは、当時の食事の様子がうかがえます。

古伊万里とは、江戸時代に作られた伊万里焼のことを言います。伊万里焼は、1610年代に誕生した日本初の国産磁器。佐賀鍋島藩領の有田を中心とした地域で焼造され、近郊の伊万里の港から出荷されたために、消費地では「伊万里焼」の名で呼ばれました。

第一展示室では染付中心で、残暑厳しい外から館内入ってくると、染付を見ているだけで涼を感じます。伊万里のコレクションでは佐賀県の九州陶磁博物館と双璧の質の高さを誇る戸栗美術館ですが、特に蛸唐草などの手描きの精緻さは見事としか言いようがありません。

展示は染付から色絵へと移りますが、江戸の庶民はなにより染付の粋さを愛したのではないでしょうか。第三展示室では、鍋島や柿右衛門様式、古九谷様式など伊万里の多様性を見せてくれます。

湯桶など、木製品や金属器などの磁器以外の素材で作られていた器種をあえて伊万里焼で作った例もあります。 やきものは焼成後水分が飛ぶため、ゆがみやがひびが生じることがあり、窯に入れたものがすべて世に出るわけでありません。だからこそ伝世し、展示される作品に、伊万里の職人たちの技量の高さとそれらを買い上げた領主や商人たちのパトロンとしての矜持に心から尊敬の念を覚えます。

戸栗美術館は松涛の静かな住宅地の中にありますが、渋谷駅からは15分ほど雑踏の中を緩やかに上がっていかなければなりません。それが苦手な方は、恵比寿駅西口からタクシーに乗るのも一考です。10分ほど、1500円未満で着きます。

展示後は、蕎麦を粋な染付の蕎麦猪口につけていただきたくなりました。残暑にぴったりの展覧会です。

美術史家 井谷善恵(1979年文学部卒 2000年文学研究科卒)

■今月のスポーツ

OB頑張ってます!

<硬式野球部OB その1>
日本ハムファイターズの宮西尚生(なおき)投手が、8/4(日)のソフトバンク戦の8回に2番手で登板し、前人未踏のNPB通算400ホールドを達成!

歴代2位は山口鉄也投手(元読売ジャイアンツ)の273ホールド。
宮西投手のすごさが分かります。

17シーズン目の39歳ですが、まだまだホールド記録を積み重ねて行きそうです。

※宮西投手関連記事
https://pacificleague.com/news/64524

※プロ野球通算ホールド記録
https://npb.jp/bis/history/ltp_hld.html

<硬式野球部OB その2>
阪神タイガースの近本光司選手が、8/31(土)の読売ジャイアンツ戦の4打席目でヒットを打ち、新人から6年間のヒット記録を通算906安打として歴代単独2位となりました。

歴代1位は長嶋茂雄さんの926本。

9/1以降もヒットを積み重ね、9/4終了時で911本。
残り20試合で歴代1位まで、あと15本。

ミスターの記録を抜くかどうか、近本選手の打席から目が離せません!
https://www.daily.co.jp/tigers/2024/09/01/0018069439.shtml

<相撲部OB>
9/8(日)から国技館で開催予定の大相撲九月場所。宇良関は東前頭五枚目の番付で臨みます。
先場所は6勝9敗の成績でした。
昨年十一月場所以来の勝ち越しを目指して頑張って欲しいですね!

吉田 誠 (1998年卒:体育会硬式野球部副将/香川県出身and讃岐うどん好き/広報担当副支部長)

■今月のエトセトラ

防災用非常食の乾パンが美味しくなってる!?

9月1日は関東大震災(1923年)が起こった日ということで防災の日とされました。
そして防災用非常食といえば「乾パン」ですが、
乾パンって大昔に食べた記憶があります。
どんな理由でどんな機会で食べたのかは全く思い出せません。
でもすごーく固くて味のしない食べ物でした。

缶入りの乾パンの賞味期限は、なんと5年もあるそうです。
ただ5年ごとに買い替えることを考えると
賞味期限が切れそうな乾パンを食べないともったいない。
でも正直あんまり食べる気はしないなあと。。。

そして今回この記事を書くに当たり
スーパーで袋入りの乾パンを見つけたので買ってみました。
え?!なんか記憶の乾パンと違う!!
サックサクで結構美味しい!
ギンビスのクッキー・アスパラガスにちょっと似てる。
乾パンがこんなに美味しくなってるとは衝撃でした(笑)

これなら非常食として缶入りを買っておこう!
袋入りの賞味期限は1年ですが、登山する人にはいい非常食になりそう。
カルシウムも豊富なので、普段のおやつにもいいかもしれない。

そして乾パンだけでなくクラッカーやプレッツェルなどの
4種セットの保存食を見つけたので買ってみました。
これなら期限が来たときに食べる楽しみがあります。

ネットで調べて見ると今は乾パン系だけでなく、
魚や肉の缶詰、ドライカレー、おにぎりなど、
5年保存食の種類も沢山あるようです。

何も起きないことが一番ですが、万が一に備えておくのは大切ですね。

文:川崎 雅美(1991年卒:本部運営委員/ワイン研究会代表/広報担当/月虎会企画担当)

コラム/祝芥川賞受賞 松永K三蔵氏 関西学院大学文学部卒

関西学院卒の作家といえば、原田マハさんや塩田武士さんなどが知られていますが、この度、松永K三蔵さんのバリ山行」(バリさんこう)が、朝比奈秋さんの「サンショウウオの四十九日」と共に、第百七十一回芥川賞受賞となりました。

松永さんは1980年水戸生まれ、関西学院大学文学部卒です。今も西宮市在住で会社員を続けながら執筆活動中とのことです。

「バリ」はバリ島のバリではなく、バリエーションルートのバリで、出てくるのはバリ島どころか、阪急芦屋川、御影、高座の滝、ロックガーデン、風吹岩、おたふく山、鷲林寺、苦楽園など、みなさんにもなじみのある地名や駅名です。

主人公の波多は建物の外装の修繕を専門とする会社に勤めています。社内で勧められ週末に六甲山を中心にグループで登るようになり、そこに誰ともつるまず一人で仕事をこなす営業主任の妻鹿(めが)さんも参加すると聞いて驚きます。妻鹿というのもあまり聞きなれない苗字ですが、兵庫県姫路市にある町の地名と読み方も同じです(そこからとったのかどうかは不明)。

物語は、社長の方針の転換で業績が落ちて社内の雰囲気が暗くなるのと、登山に興味を覚えていく主人公の生活の変化が、日常と非日常が絡み合うように語られていきます。

選評で、平野啓一郎は「抜群にリーダブルで、物語の足場となる文体が安定しており、人物造形も風景描写も精彩を放っている」とし、吉田修一は「何よりこの小説は攻撃的でない。自分の言葉で誰かを言い負かそうとしない」と評しています。冷たそうに見えた妻鹿さんが、山では怪我した主人公に思いやりに満ちた声をかけるシーンがあり、ほっとさせられます。

主人公は平日の仕事量が増え、週末は山行きで、子供が幼く仕事も持つ妻のワンオペへの不満も「寒いのに、好きやねえ」などと関西弁でやんわりいわれることで、この夫婦が決定的な亀裂に至らないような気にさせられます。

妻鹿さんの「バリはさあ、ルートが合ってるかどうかじゃないんだよ。行けるかどうかだよ。行けるところがルートなんだよ」という言葉は山行だけではなく、妻鹿さんの生き方であり、主人公の未来を示しているのではないでしょうか。

登山に興味がある人もそうでない人も、六甲山の分け入った道の木々の匂いまで感じられそうな「バリ山行」、ぜひ勧めします。

また、松永さんはブログやX(旧ツイッター)などもされておられるので、そちらもご興味があれば、お名前で検索してみてください。さらに夙川や旧居留地など懐かしい写真や情景に会えます。

美術史家 1979年文学部卒 井谷善惠

■WEBサイト https://m-k-sanzo.com/
■Instagramアカウント https://www.instagram.com/m.k.sanzo/
■X(旧ツイッター)アカウント https://x.com/m_k_sanzo

「バリ山行」は講談社より単行本が販売されています。ぜひご一読を!
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000398207

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② 最近読んだおすすめの本、観てよかった映画など
③ 私の推し。もしくは今、はまっているもの。
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