5月の三日月会は、金融機関と利害関係を持たない立場で活動されているNPO法人・日本個人投資家協会(特定非営利法人)の斉藤雅子氏をお迎えして、「シニアが知っておきたい新NISAの活用法」というタイトルで、2024年に改正された新NISAを分かりやすく解説していただきました。人生100年と言われる時代、シニアにも現役世代にも新たな金融知識を知ることが出来る機会となり、今後の資産形成の参考になったのではないでしょうか。35名の皆様のご参加、ありがとうございました。

【ご講演の概要】

NISAは、2014年に政府が国民の資産を投資に回し、経済活動に活用して、資産を増やす目的で作られた「少額投資非課税制度」という金融施策です。イギリスのISA(個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISA として、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)と呼ばれています。

NISAは簡単に説明すると、投資の利益に税金がかからなくなる制度のことで、自分だけでなく子どもや孫に役立たせることができるので、知っておいた方が良い制度なのです。投資で得た利益は、約20%の税金を払わなくてはならないのですが、NISAでは非課税となります。

2024年1月からNISAが新制度になり、世の中の注目が集まっています。新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。

「つみたて投資枠」初心者向け 年間限度120万円 生涯600万円 初心者でもお金を増やせるように、この枠で買える金融商品は金融庁があらかじめ厳選しているものなので、100円からでも積立ができるものです。

「成長投資枠」初~上級者向け 年間限度240万円 生涯1,200万円 一定の条件がありますが、好きな株、ETF(上場投資信託)、投資信託を自由に買うことができるものです。配当や売却益は非課税です。

(シニアにとってNISAは、役に立つのでしょうか。)

①   つみたて投資は20年~30年の長期投資が制度設計となっていますので、若い人に向けなのです。親が子どもや孫に非課税で贈与できる金額は年間110万円という制度を使って、1年間に親(シニア)が、子どもや孫それぞれに110万円贈与して、つみたて投資をしていけば、贈与税を払わないで、子どもや孫が将来贈与額以上の金額が非課税で受け取れるようになります。

②   成長投資枠については、シニアが使うのに適しています。限度額が年間240万円までなので、個別株を買って、配当や優待を使うことによって生活に楽しみが増え、豊かになります。余剰金が有効活用できます。

(老後の切り崩し予算について)

2020年に金融庁が「老後30年間で2,000万円不足する」という試算が示されました。

夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦という条件で計算してみますと、1か月5.5万円年間66万円が、必要な切り崩し額となります。この先25年を考えますと、25倍1,650万円を切り崩します。これをNISAで「年率4%」で運用できれば、年間リターンは66万円となり、非課税で受け取れるのです。あくまで理論的ですが、毎月の不足分5.5万円を補うことができることになります。

(NISAを始めるための証券口座の開設)

金融商品をやり取りするための証券口座を開設する必要があります。開設できる金融機関は、銀行・信託銀行・証券会社・ネット銀行・ネット証券があります。

(新NISAでしてはいけないこと)
・NISA口座の金融機関は、いったん開設すると、変更がかなり難しいので安易に決めてはいけない。

・成長投資枠には、様々な物があるので、安易に購入してはいけない。

(新NISAでした方がいいこと)

・家族みんな(なるべく大人数)でやること。

・住宅ローンの繰り上げ返済をするより、つみたてNISAをした方が良い場合もある。

最後に大切なこととしてシニアは、NISAを余剰金で行い、投資であることから、リスクを伴うことがあり、大暴落があることを考えておくことが必要です。しかし多くの研究で15年~20年で株価は戻ることになっています。この様な時は淡々と耐えることが一番良い方法となります。

【最後に】

今の日本の金融政策は、超低金利政策の為、国民の資産は目減りしている状況です。私たちは、自分の資産は自分で守っていかなければなりません。特に年金生活のシニアとっては、資産を増やすことは難しくても、減らさないことはとても重要な事です。新NISAはシニアにとっても資産運用にメリットがあることが理解できました。余剰金で新NISAを始めてみようと思った方が増えたかもしれません。ご講演、ありがとうございました。

【以下開催時のご案内の抜粋】

三日月会5月度例会は、金融機関と利害関係を一切持たない立場で活動しているNPO法人・日本個人投資家協会(特定非営利法人)より、最近話題の新NISAを解りやすく説明していただける斎藤昌子氏を、お招きし講演をしていただきます。

新NISAは国民の資産形成を推進する政府の目玉施策で、金融機関は元より様々なメディアや雑誌などでも多く取り上げられています。この講演ではシニアならではの新NISAの活用方法、子供や孫に新NISAで積み立て投資を家族連係するアイデアや、「新NISAでしてはいけない」「新NISAでしたほうがよい」等のアドバイスも聞くことが出来ます。

人生100年時代と言われる時代、シニアにも現役世代にも新たな金融知識、知見を持てる興味深い内容です。

是非多くの皆様のご参加を賜りますよう、ご案内申し上げます。

                                記

日時 : 2024年5月11日(土曜日)14時30分~15時45分【14時開場】※5月は第2土曜日の開催です。

場所 : 関西学院同窓会本部 銀座オフィス  東京都中央区銀座三丁目10-9 KEC銀座ビル7階

アクセス : 都営浅草線「東銀座」A-8出口徒歩1分  銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座」駅A-12徒歩3分

会費 : 1000円 (小ペットボトルの飲み物をご用意致します。)

講師 :  斎藤 昌子(さいとう まさこ)氏

学習院大学文学部英米文学部卒 神奈川県鎌倉市出身

カタログ通販雑誌「通販生活」で編集者、顧客サービス室室長として30年勤務。読者はシニア層が多く、その方々を対象とした商品説明文やサービス設計に従事。生活者視点での編集に努めてきた。

通販生活での勤務と並行して2017年よりNPO日本個人投資家協会に参加。

      ※日本個人投資家協会は、国際エコノミストの第一人者、長谷川慶太郎氏が1995年に創設した金融系では日本で初めて認定されたNPO特定非営利法人です。

演 題 :「シニアが知っておきたい新NISAの活用法」