川柳サロン令和6年1月例会 お題「発見」3句+雑詠1句
1月9日(火) 銀座オフィスで開催。出席 7名 投句のみ 4名
津田暹先生より令和5年度の年度賞の発表がありました。
正賞 エアコンも過重労働してた夏(純逸)
準賞 単身に好物届く妻の便(勝次)
準賞 団塊の昭和も耳も遠くなり(壽子)
3名の方お目出度うございます。
今月のお題「発見」
津田先生より「発見」と「見付ける」の違いについてのお話がありました。
「見付ける」は探していたもの、見えなくなったものを見付け出すことで、具体的なものであることが多い。それに対し、「発見」は新しく見付け出す、知られていないものを見付け出すことで、発掘、化石、病気といった重要なものの時に使うことが多い。今回の句でも「発見」でなく「見付ける」の句が多くあったので、評価句が少ない結果となったとのこと。
津田先生の評価+会員よりの得点数
お題「発見」
◎+8点 起き抜けに鏡を見たら母の顔(たけお)(今回の最高点)
◎+0点 大失敗が新発見を連れてくる(純逸)これが「発見」
○+4点 白内障手術成功シミ多数(たけお)
○+2点 転職し前の会社の良さを知る(達夫)
○+1点 永田町パーティかじるドブネズミ(勝弘)
今月の学習
1.忘却と発見重ね老いを知る(壽子)、、、[忘却]反対語は「想起」あるいは「記憶」。「発見」は合わない。
2.外国人に地元の穴場教えられ(純逸)、、、「外国人」ではなく「インバウンド」にする。これは「発見」ではない。
3.花散って女の園が暴かれる(勝弘)、、、良い句であるが、これも「発見」とは言えない。
4.散歩中富士を見つけた坂の上(敬三)、、、見えたのであって「発見」ではない。
5.遺品の整理初めて知った母の過去(勝次)、、、箱川柳を避ける。→「遺品整理で初めて知った母の過去」
6.カラオケで母校の校歌見つけ出し(敬三)、、、偶然見つけたのは「発見」ではない。
7.ひらめいて指した一手が勝利呼ぶ(純逸)、、、報告調。→「ひらめいて指した一手が呼ぶ勝利」
8.コロナ禍でZOOMの威力皆が知り(達夫)、、、→「コロナ禍でZOOMの魅力皆が知り」
9.片付けの楽しみ多しあっあった(淑子)、、、「あっあった」では「発見」にならない。→「片付けの楽しみ多し祖父の部屋」
10.彗星群発見出来ずコップ酒(壽子)、、、これでは新しい「彗星群」の発見になる。→「彗星群見つけられずにコップ酒」(もちろん「発見」ではない)
11.優勝で気付く隣家も虎ファン (敬三)、、、「隣家」は苦しい。→「優勝で知るお隣も虎ファン」、「発見」ではない。
12.車やめ坂道だらけ今気付く(たけお)、、、ブツブツ感を無くす。→「車やめ坂道多いのに気付き」、「発見」ではない。
13.善悪を見出せぬのか議員さん(治郎)、、、→「善悪の区別付かなくなる議員」、「発見」ではない。
14.会う度に孫の話が一丁前(廸和)、、、→「会う度に孫の話が大人びる」、「発見」ではない。
15.つぼみ持つ辛夷見つけた寒い朝(壽子)、、、→「辛夷もう蕾付けてる寒い朝」、「発見」ではない。
16.川柳を始めて知った多き人(廸和)、、、→「川柳を始めて友が多く出来」、「発見」ではない。
17.二刀流素質見抜いた栗山氏(勝次)、、、→「二刀流の素質見抜いた栗山氏」、「発見」ではない。
18.へそくりを発見されて大騒ぎ(治郎)、、、報告的。具体的に。→「へそくりを見つけた妻がほくそ笑む」、「発見」ではない。
19.見つけ小石恐竜骨に乱舞する(勝次)、、、→「掘り当てた石恐竜の骨と知り」
津田暹先生の例句
早期発見神に命をまた貰う
雑詠
津田先生の評価+会員よりの得点数
◎+2点 鳥の歌イスラエルにもロシアにも(淑子)、、、パブロ・カルザスの世界平和を願う曲。攻撃側を詠んでいるのが良い。
○+5点 名古屋っ子去年寅なら次は辰(勝弘)
○+4点 ていねいに重く受け止めイカンだけ(たけお)
今月の学習
1.我が裏金になれよと願い宝くじ(純逸)(今回の最高点)、、、「我が」は要らない。→「当たったら裏金にする宝くじ」
2.八十路坂餅は小さく子の電話(勝次)、「八十路坂」は不要。→「くれぐれも餅小さくと子の電話」
3.入り込む冬の陽射しを好き嫌い(壽子)、、、→「入り込む冬の陽射しも好き嫌い」
4.凶が出てもう一度引く初詣(敬三)、、、→「凶が出て引き直しする初詣」
5.三冠王今年期待のショータイム(達夫)、、、今年は打者専念。→「三冠王今年期待の打者のショー」
6.ふと嵌まる巧みな言葉恋の詐欺(治郎)、、、「ふと」がいまいち。→「巧みさに思わず嵌まる恋の詐欺」
7.アノ時で話が分かる同窓生(廸和)、、、下6。→「アノ時で話が分かるクラス会」
8.コピペなら1年生で知っている(睦夫)、、、→「コピペなら1年生も知っている」
次回のお題「納得」(締め切りは2月2日です)
令和6年2月13日(火)銀座オフィスで開催の予定です。 現在例会は毎月第2火曜日13時30分から16時です。
入会者募集中!
川柳に興味をお持ちの方 是非見学にお越しください。
投句のみのネット会員も募集しています。
ご見学・ご入会等のお問い合わせは、同窓会東京支部( kg_tokyo_soumu@yahoo.co.jp )にお問い合わせください。
指導は著名な津田暹(すすむ)先生。 全日本川柳協会元理事、雑誌「川柳研究」元編集長及び発行人。
現在世話役 石田達夫(s45)
メンバー 男9名、女性2名